iPad pro 12.9 レビュー 文句なしの高性能 3Dプリンターとの連携を考えると Mac mode が欲しい

昨年発売されたiPad pro 12.9インチ(2021)を使用しています。360度動画を含む動画撮影と編集、スカルプトモデリング他、一般的な用途として使用していますが、3Dプリンターと組み合わせるならやはりMac modeが欲しいと感じました。現在の限界のほか、個人的の勝手な希望も書かせていただきます。

値段も性能も最高峰のiPad pro

私の場合、PCはWindowsですし、家に古いiPad miniはありましたが基本的にタブレットもandroid系列を使っていました。昨年末からXiaomi等、スペックの高いタブレットPCが出現していますが、コレを購入時は選択肢がなくマルチな用途で定評のあるiPad Proを一度使ってみたくなり、M1搭載の魅力に惹かれ物欲のまま購入したのがこのipadになります。

性能は高いが値段も高い。GPD WINMAX初代がクラウドファンディング当時で2台買えるくらいの値段だけあってその性能は確かに素晴らしいの一言です。最近は前述の通りAndroidでも性能の良いタブレットが出ていますが、近年のAndroidタブレットは「安かろう悪かろう」が多かったんですよね。いくら安くても購買意欲が湧かないものが多い中、この『高級石板』が欲しくなったのは道理です。

また、Appleの場合、良いものを買っておくとOSサポートなど製品寿命が長いことがわかっており、いざとなれば一定の価格で売却できるのも強みになります。残念ながらほとんどのandroidタブレットはリセールバリューがほぼゼロなので・・・。M1世代のものを買っておけば当分の間困ることがないだろう、という目論みもありました。
 今回は製品そのもののレビューなんて今更誰も必要としていないと思いますので、主に自分の用途としてどうかについてレビューさせていただきます。

なお、私が購入したものはセルラー内蔵の256GBモデルになります。iPad Proに関連する当ブログは下記のものがありますのでもしよかったらこちらもどうぞ。

動画編集、スカルプトモデリング等重い処理にはうってつけ

一般的な動画編集で私が使用しているのはLumafusionになりますが、私程度がYoutubeに投稿したり、家族のビデオを編集する場合にはPCは不要です。デジタル一眼で撮影した4K動画や、専用ソフトにおけるInsta360 one Xで撮影した360度5.6K動画の編集、トリミング、フィルターなど全てにおいてほぼノーストレスです。バッテリー消費はそれなりですが、『M1すげー』となり、性能面でベタ褒めされるだけのことはあります。

コレを買ってからのYoutubeの動画はほぼ全てiPadで作製しており、撮影するところから編集も音声の録音も全てiPadで完結します。テロップなどキーボードは必要ですが、カメラもマイクもPCも不要で必要な動画編集ができるのはとても便利です。マイク性能も結構良くて外付けマイクなしでもちょっとした用途なら十二分と思います。カメラ性能も悪くなくて、妥協がないなと感じさせます。

また、ちょくちょく遊んでいるスカルプトモデリング、これも高性能を感じられるところです。私はNomad SculptというモデリングツールとApple pencilで利用していますが、ポリゴン数が多くてもぬるぬる動きます。GPU性能が高い為、ワイヤーフレームを追加で表示してもかなり滑らかです。肝心の私のモデリング性能が低いので大変申し訳ないですが、Fusion360から持ってきたobjデータをインポートして加工するなども自由自在です。3Dプリンターを使われていてkaikaノズルを利用されている方はkaikaチャレンジに参加されていた方も多いと思いますが、私が応募したものもNomad Sculptで作製しました。ただこの用途だとバッテリー消費や発熱はそれなりです。

低音はでないが音質良好 専用ウーファーが欲しくなります

コスパは置いておいて、音もProに恥じない、なかなか馬鹿に出来ない音がします。スピーカーとしてはちっこいですしもちろんオーディオ用のスピーカーに敵うわけはないのですが、立体音響にも対応しApple musicの空間音響などはスピーカーのない空間から音がちゃんと聞こえます。デバイスが限定されている分、しっかりとチューニングされており不満がありません。空間オーディオの体験は昔のBOSEシアターですごく小さいスピーカーからダイナミックな音が出るのと少し似ています。

中高音の出来も良く、筐体をうまく使っているのかある程度の中音域までの再現性はなかなかです。スピーカーはある程度音量を出してあげたほうが特徴が出ますが、解像度はなかなか高いですし、音がすぐ割れて破綻してしまうなどのネガティブな要素がありません。一方で低音はやはり不足するので、個人的にはiPad専用のコンパクトな低音補強用ウーファーがあれば良いのにと感じました。クロスオーバー付近で帯域を分け中高音だけiPadのスピーカーに担当させればもっと魅力を引き出せそうです。DACとの組み合わせについてはこちらのブログもよかったらどうぞ。私の場合USB-C搭載の弊害で、ちょっとクセがありました。

ブログ編集や2ndディスプレイ、エンタメ用途 万能だが役不足

もちろん別に重い処理ばかりではなく全て快適です。この半年以上、日常で持ち運ぶのはこのiPadとニンテンドーキーボードのみ。既述したヘビーな用途のみならずライトな用途も何でもこなせます。別のPC(GPD WIN MAX 2021)とともに使用する際には必要に応じてDuet Displayで高性能なタッチ対応2nd ディスプレイにもなり、コレを利用してFusion360で設計することも出来ます。

もちろん、KindleやAmazon prime videoも高画質、高音質で見られますし、時にはリモートデスクトップで出先から家のPCへアクセスすることでPCがわりにもなります。当方ではeSIMの楽天モバイルが入っていますが通常の業務なら使い勝手に問題はありません。Liquid Retina XDRディスプレイの綺麗さも流石で、間違いなく我が家一綺麗な液晶です。おかげさまでKindleのマンガを見開きで楽しんだり、出張先で動画コンテンツを楽しんだり、素晴らしいエンタメマシンでもあります。なお、私自身はゲーム等はほとんどしませんが、娘氏によればもちろんゲーム用途でも(プロセカ、sky等)もめちゃ綺麗で良いとのことでした。美術部なので高校受験が終わったら芸術用途にも使わせてあげたいと思いますが、そのまま盗られてしまいそうで怖いです。

以上のように全てが快適ではありますが、ライトな用途のみであればやはりコスパが悪いと言わざるを得ません。別に他のものでも出来ますよね。宝の持ち腐れと言われてしまう可能性が高い気はします。もちろん、私も十分に活かせているとは思っていません・・・。
用途を選ばずなんでもこなせるという点で大は小を兼ねる究極のタブレットであることには変わりありませんが、多くの用途がiPad proに対しては役不足なんです。もっと仕事させろとiPadに言われている気がします。

個人的にはMac modeが欲しい!

蛇足になりますが、個人的にやはりぜひ欲しいのはMac modeです。Appleは以前よりMac OSとiOSを統合する気はないと言っていますが、M1 Macでは基本的にiPadのアプリが動きます。ハードウエアレベルで考えればiPad ProでMac OSが動かないはずがないですよね。統合しなくてもアプリとしてMac modeを実装は個人的にはぜひ検討していただきたいです。対象はM1以上を搭載したiPadのみ、あくまでアプリとして動作する仕様にすれば「統合」ではないのでAppleの説明とも矛盾ありません(笑)

なんで実現しそうにないこんなことを言うかというと、3Dプリンターを使っていると個人的にはFusion 360とCuraが欲しいんですよ・・・。現段階ではWebで利用できるスライサーKiri:motoが有名でしょうか)もありますが、使い勝手も大きく異なる上、Gcodeファイルを逐一メディアに入れてやり取りするのは、PC経由でWifi転送できるSnapmakerの使い勝手に慣れてしまうと面倒です。また現状ではiPad版のFusion360はプレビューしたりは出来ますが、見る専用でモデリングには使えません。iPad用のCADソフトも定評のあるShapr3Dが存在はしますが、Fusion360との連携を考えると個人的には常用は難しいです。

iOS版を作ってもらうより、Mac modeの方がリソースも少なく済むでしょうし、ユーザーの裾野も広がります。僕のように普段Mac使ってない人の入口にもピッタリだと思うんですよね・・・。タッチ対応でなく、マウスキーボード必須にすれば操作感もMacと同様になりますし、1kgを切るような軽量PCがないAppleさんにも良い選択肢のような・・・何より世界中に望んでいる方、メチャクチャたくさんいらっしゃると思うので、iOS16で実装とかどうでしょう?そろそろ発表ですよね、宜しくお願いいたします(笑)

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!