祝JRRF2025!皆行こうぜ! MakerChips制作にも最適 常温使用も可能なAntinsky cold plate レビュー 反りを許しません
JRRF2025の開催も近くなり、最近私のtwitter(X)タイムラインによく登場するMakerChip。私はこれというプロダクトがないので自身のものは制作しておりませんが、JRRFに協賛する一人として協賛企業様のMakerChipを印刷しています。今回はMakerChip制作を含むPLA印刷で細かい印刷でも「反りを許さない」Antinskyのプレートの紹介です。こいつは強力ですよ。
祝! JRRF2025開催直前
まずはじめに、2025年6月14,15日に東京都大田区でおそらく日本最大の3Dプリンターの祭典、Japan RepRap Festival 2025が開催されます。私は直接かかわってはいないのですが、今回は末席ながら主催者の中心、Psych0h3adさんこと@YutR0nさんに協力しMakerChip印刷を手伝わせていただいています。
当ブログを拝見していただく方の中にはJRRF、もちろん行くよ!という方からJRRF?なんじゃそれ、という方までいらっしゃると思いますが3Dプリンターに興味をお持ちなら、現行の様々なプリンターやその印刷物を見る絶好の機会です。ぜひ足を運んでいただければ私も嬉しく思いますので是非!詳細はこちらからどうぞ!
あと一週間です!東京近郊の興味がある方、是非エネルギッシュな祭典に足を運んでみてくださいね!私も行きます!!
協賛企業さんも豪華 個人makerもずらり
上のページを見ると、協賛、参加企業も非常に豪華です。FlashForge製品など以前から国内での販売網を広く持つAPPLE TREEさんやプリンター販売やPolymakerフィラメント取り扱いで勢いがあるサンステラさん、当ブログでもおすすめしたマットフィラメントやレジンなどでも強みを持つSK本舗さんをはじめ、世界の老舗、PRUSAさんやワンオフものの生産や基板などにも強いJLCPCBさんなどがプラチナ協賛に入っています。(ロジスティクスの丸市倉庫さんは今回初めて知りました・・・!)ずらっと見ても既製品から自作、改造ものまで3Dプリンター関連の主要なメーカーが集まっている感じですごいです。個人的には開催地地元の国産メーカー、GUTENBERGもアツい!
また、印刷に使用するフィラメントは全体の3割程度をサンステラさんが供給されているとのことです。力入ってるなあ。。ほかにもフィラメント供給には今回紹介するAntinskyさんや私もABSやTPUで使用しているOVERTUREさんはじめ、EIBOSさんやAPPLETREEさんが参加されているとのこと。
しかも参加企業は開催直前になってさらに増えている、という情報もあります。すごい規模だなぁ・・!!


勿論、この直上のリンクを見ていただければわかる通り、プリンターを使用して様々なものを作成されている個人のmakerさんたちも数多く参加しています。ズラリです。3Dプリンターの活用の現在と可能性、未来があると思います。ほんとうにたのしみですねぇ・・・!
MakerChipについて 詳細はyskさんのnoteがおすすめ
さて、MakerChipについてです。私も最近まで知らなかったのですが、MakerChipは2024年に海外の方が提唱して作られたもので、おそらく今回このイベントで日本で今後標準的になっていくんじゃないかなと思います。MakerChipの成り立ちなどは@yskさんのnoteがためになるのでこちらをお読みください!私も読みました!
当日は個人のmakerさん含め、それぞれのMakerChipを制作されているようですが、すぐなくなっちゃうかも??芸能人のイベントじゃないですからある程度は大丈夫だと思いたいところですが、行ったらMakerChip全滅、なんてこともあるかもしれませんので集めたい方はご注意くださいね。
なお、今回私が印刷させていただいているMakerChipは、私が使用している3DプリンターのSnapmakerさん、VORON0の基板等いろいろ使っているMellowさん、今のメイン3DスキャナEINSTAR VEGAのSHINING 3Dさんのものになります。
この3社は当ブログにもたくさん記事がありますのでよかったら検索してみてください!
また、教えていただいた情報によりますと、協賛企業の中には自前でMakerChipを印刷されている企業もあるとのことで、旭化成さんや、Phaetusさん、QIDIさん、Sirayatechさん、LDO/Sugoi3DさんやQholiaさんが該当するとのことでした。個人的にはQholiaさんのクオリティは気になりますね・・・
MakerChipは集めてコレクションももちろん楽しいと思いますしMakerWorldにあるような打ち出すおもちゃなんかを作っても楽しめるかもしれません。
本題のAntinsky コールドプレートについて
さて、ここからは本題のプレートです。PLAは基本的には反らないイメージですが、今回のMakerChipのように多色が使用されて樹脂の加温、冷却が繰り返されると反ることはあります。実際、今回MellowさんのMakerChipを職場のBambulab A1 miniの純正PEIプレートで印刷したところ環境要因か反ってしまい失敗しました。


そこで、今回登場するプレートです。Antinskyのこれは最近時々耳にする「コールドプレート」というものですが、要はベッドの保温をしなくても(主に)PLAの印刷が可能なビルドプレートのことです。
このプレートに変えたところ、その効果は絶大でがっちりくっついて全くはがれません。
BIQUさんのCryoGrip(下段の青色)も今回紹介するプレートの仲間です。(これはSnapmakerで使用しました。)個人的な感覚では少なくとも今回のMakerChipに関して言えば今回紹介のAntinskyさんのプレートが安定感で勝ると思います。ただ、当方で使用しているのは汎用性の高いGlacierというものですが、PLA専用のFrostbiteというより強力な商品もあります。よかったら確認してみてください。Glacierは色々なプリンターサイズで販売されていました。
BIQUのプレートはざらっとしていて、どちらかと言えば一般的なPEIプレートに近いさわり心地です。今回のAntinskyさんのものは本当に凹凸が少ない印象ですね。
なお、使用した材料のPolyterra PLAはPLAの中では定着がやや悪くなりやすい(反りやすい)フィラメントだと私は認識しています。値段も高くなく、柔軟で、現行品はAMSとの相性もばっちり、経路上で折れる可能性はゼロで手触りもやわらかくて、私も最初期から使用しているとても好きなフィラメントですけれどね。なんと今自分の過去記事見たら2021年2月でした。子供のおもちゃなどにも最適なフィラメントです。古い記事ですがよかったらこちらもぜひご覧いただけると嬉しいです。
実際の使用感 反る気がしない
さて、届いたプレートがこちら。歪まないようしっかり梱包されている印象ですし、プレート本体の厚みもしっかりあります。色はさらっとした黒で、一見するとそんなにがっつりくっつきそうに見えないのが特徴といえば特徴でしょうか。フラットな感じです。
梱包のパッケージはしっかりしていて、プレート本体もやや厚めな印象で良いもの感があります。なお、amazonには55度まで温めることでさらに定着が強まると記載されています。当方は基本的に印刷条件はあまり変わらず。




実際印刷していますが、本当にものすごく定着が強いです。冷えてもプレートを曲げなければ全く外れません。強めに歪ませることで一気に外れる感じです。また、パージタワーも外れません。「絶対反らないな」と思わせるプレートです。ガッチガチで安心感が高いです。


跡は付く
欠点かどうかは分かりませんが、このプレートで印刷しているとプレートに跡がつきます。こんな感じ。印刷した後の主に辺縁部分にしっかりとした跡が付きます。ただ、別に痕が残っていても印刷には支障ない印象で実害は今のところ確認できません。ちなみに、中性洗剤で洗ってもこれは落ちないです。
長期使用でどうなるかは分かっていない、という点は現時点でのマイナスポイントですね。ただ、今回のMakerChipを結構印刷していますが、今のところこのプレートの効果は減弱していません。十分すぎる定着力を発揮している、ということはお伝えしておきます。



BIQUプレートではSnapmakerのMakerChip印刷中
上のBIQUプレートではSnapmakerのMakerChipを印刷しています。SnapmakerのMakerChipは難易度が高くて(今はシンプル版もあるようです)0.4mmノズルだと上手に作れなかったので高級品の国産kaikaノズル0.2mmと0.3mmを使用した豪華仕様です(笑)ちょっと宣伝ですが、テクダイヤさんの作る高級ノズルkaikaは細径から大径まで幅広く、kaikaSという高耐久性ノズルもあり安定した印刷に寄与します。Bambu機ではそのまま使えないようですが、これからも応援したいところですね。
特に0.2mm程度の細径ノズルでも吐出が安定して詰まらないのが美点で、ノズル由来のトラブルは寿命以外ではあり得ないといってもいいほどです。当ブログにもkaika関連の記事は色々ありますので是非見てみてください。特に0.1mmの世界とか、大変ですがお勧めです。なお、0.1mmノズルはフィラメントによっては詰まりますがこれはノズルのせいではなく、フィラメントの組成の問題です。向き不向きがあるのでご注意ください。また、強化線維が入っているモノは場合によっては0.4mmでも詰まります!


ロゴがキレイに出るように上下を逆向きにして、QRコード側を上に作っています。このプレートでも反りが発生することがありますが、Snapmakerは密閉できるのでドアを閉めて、換気扇をオンにすることで温度は上がりすぎず下がりすぎず、安定した印刷が出来ます。年数を経てもSnapmakerはやっぱりいいプリンタです。印刷は時間かかりますけれどね!!
2色しか対応できませんが、白と黒が混ざることがないので圧倒的にゴミが少ないのが特徴になります。今回のBambuの最高級機種、H2DだとここにさらにAMSがつけられるので最強感が強いです。圧倒的高性能との引き換えに圧倒的お値段になってしまうのが玉に瑕ですが・・・。
コスト分の価値あるプレートです!
というわけで、横道にそれつつ、JRRFの告知と、Antinskyのプレートのレビューを書かせていただきました。いかがでしたでしょうか?私は詳しくないのですが、こちらの会社はレジン等SLA系もやってらっしゃるので、今回のJRRFでも色々見ることが出来るのではないかと思います。(私も見に行きます!)
総評として本当にはがれないので、PLAで不安定なものを印刷したい方にはぴったりです。これではがれるならもうそれはプリンタの問題かスライス設定、もしくはモデルの問題を考えたほうがいいでしょう。amazonでの値段は互換品としてそこそこ値が張るほうだと思いますが検討するべきプレートだと思います。跡が付くのが長期的にどう影響を与えるか未知数なところはありますが、これからも色々使ってみたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!そして週末はぜひJRRFへ!冒頭のリンクをぜひどうぞ!
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