フィラメントスプールを使って観覧車型トミカ車庫を作成 -PolyTerra PLAはマットな質感でエコなフィラメント-

2021年2月19日

最近3Dプリンターを使用して色々なものを作ってみています。今回、フィラメントスプールを利用した観覧車型のトミカ車庫を作成しました。先日購入したPolyTerra PLAの簡単なレビューもかねてご紹介させていただきます。

Thank you for your visit! You can find my Ferris wheel’ s STL at last of this page. Enjoy!
note: This Ferris wheel frame is customized for the 1 kg black filament spool that comes with snapmaker 2.0, and also needs to be bonded in some places.

2月28日追記 下のほうにyoutube動画もありますので動きをご覧になりたい方は是非見てみてください!

3月19日追記 今回光栄なことに 5th Snapmaking Contestという、Upcycling(リサイクル)がテーマのsnapmakerさん主催のコンテストにおいて、今回の観覧車型トミカ車庫が3Dプリンター部門で1位を頂きました!!

ご存じのとおり、私は昨年末くらいから3Dプリンターを使い始めた初心者なので分不相応な賞に恐縮しておりますが、子供のために作ったものが結果として賞を頂き光栄です。実力的には全然ですが、アイデアが良かったのかな??と思っています。応援してくださった皆様、ありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします。

現在はこちらのバージョンからギアとハンドルがついたバージョンになっています。そちらのファイルも後日載せさせていただきますね。

PolyTerra PLAについて

メーカーサイトより転載

最近snapmaker購入時に付属していたPLA1kgを使い切りました。ちょうどそのころ(2021年2月)に発売されたのがpolymaker社のPolyTerra PLAです。値段も高くなく、ちょっとマットな質感で色も選べるこのフィラメントを購入してみることにしました。
個人的に面白いと思った特徴がこの商品のフィラメントスプールです。なんと再生段ボールが使用されており、環境にやさしい仕様になっているのです。素晴らしいですね!

フィラメントはざらっとしていて、PLAとしてはやや高めの温度設定(210-220度)のほうが結果がよく、純正フィラメントと比較するとsnapmakerのヒートベッドへの食いつきが悪いため当方ではスティックのりを使いました。
同じ温度でもやや硬い感じがあり、壁がやや薄くなる傾向があるようです。必要に応じて線幅を増やすか、壁を3層にした方が仕上がりがいいかもしれません。

PLAにもかかわらずけずりやすさと粘りがあり割れにくいのでおもちゃの材料としては向いていると思います。質感がよくとがった感じが少なくケガもしにくそうな印象です。
サポートもはがしやすく、ベッドへの食いつきを除けば使いやすいフィラメントと感じました。
商品リンク、もしよかったらご利用ください(笑)

実際の造形物の感じは下のほうの今回作成した観覧車の写真で見ていただければと思います。黄色なのでちょっと見にくい感じですが、ご了承ください。

フィラメントスプールの使い道

さてPolyTerra PLAや以前紹介させていただいたNature3Dさんのフィラメントのような特殊なものを除き、おそらくフィラメントスプールは通常破棄される運命なのではないかと思います。私は今回初めてフィラメントを使い切ったのでほかのメーカーのスプールは知りませんが、結構がっちりしていて立派なんですよ、このスプール。

捨てちゃうのはもったいない気がして床で転がしたり遊び道具にならないかな、と考えた結果が今回の作品?になります。最初はメリーゴーランドとかも思ったのですが、初心者にはハードルが高すぎですよね。比較的簡単に設計できそうなものがいいかなと思っていたところ、ふと3歳児が放置したトミカが目に入りこれを思いつきました。今後も一般的なフィラメント使うたびにゴミが出るのはあまりうれしくないので別なアイデアも考えないといけないなあと思います。もっとメジャーになればリサイクルって話が出るんでしょうけど・・・。

一つ残念に思うのは、フィラメントスプールが各社で統一されていないことです。データ作っても汎用性がないんですよね。。今回下のほうにSTLファイルも起きましたが、そのままだとsnapmakerの1kgフィラメントリールにしか使えないわけです。荷台はある程度汎用性がありますが、皆さんが制作されるときには手直しが必要になってしまいます。リサイクルにも影響しますしぜひ業界で何とかしてもらいたいところです。

観覧車の設計 作成に必要な物品について

観覧車の設計には3Dプリンターとの相性がよいFusion 360を使用しています。各所をノギスで測って測定しまずはフレームをどうするか考えました。フィラメントスプールにはいくつか穴が開いているので基本はこれに引っ掛けてフレームとスプールを固定する方針にしました。当初は下記twitterのようにもう少し小さかったのですが、車を乗せると干渉してしまうことが確認されたため、観覧車の半径を15mmオフセットすることで対応しました。なお、フレームは造形サイズに合わせて90度ずつの片側4枚構成で、2枚ずつは同じフレームです。(つながる部分は0.1mmマイナスオフセット)ちなみにスプールは表と裏で異なります。

twitterでも指摘いただきましたが、車が乗ると回らないので最終設計ではこうなりました

ベアリング

また、中央部の軸についてですが、フィラメントロードをスムーズに行うために以前作成したボールベアリングx2をそのまま使用しています。ベアリングの縮尺を記憶していなくて申し訳ありません。なお、ベアリングはThingiverseより頂戴した下記のものになります。スプールの内径に合うように縮小印刷をお願いします

荷台についてはフラットだと車が滑って落っこちるので、タイヤがはまるように溝を掘る形としました。荷台のフレーム部分は角度は45度以下ですが細いため、サポートがあったほうがいいかもしれません。私はフレームのサポートはほとんどなしですが、許容内なものの積層は乱れました。
また、強度とフレームの造形失敗を恐れて、荷台部分はインフィル100%の設定にしています。フレーム部分との接続部はサポートが必須ですのでご注意ください。またセンタリングのためにワッシャーを両側にはめています。また最終設計では一体成型の可動式リッド部分は短くし、トミカ車体との干渉を避けました。
Polyterra PLAは粘りがあり、フレーム側の荷台取付穴の位置も工夫したのでフレーム設置後に荷台を取り付けることも問題なく出来ました。リッド部分は印刷後は固まっているのでバキッと折り曲げるとあとは動くようになります(笑)

観覧車の支柱部分は意外に面倒でした。我が家のsnapmaker A150は造形サイズが縦横max160mmなので、支柱が全部入りません。ギリギリで支柱本体を印刷し、ベアリングとの接続部分は別に造形する必要がありました。また、両側の支柱をつなぐ外から見えにくい芯棒は造形しやすいよう円柱に内接する6角柱にしています。全体を通して固定することも考えましたが、分解しやすさを考えてこの形状になっています。なおオフセットは片側0.05mmですが、環境によっては縮小が必要かも。

接着はメンテナンスや子供がどうせ壊すのでなるべくしたくありませんでしたが、フィラメントスプールは残念ながら寸法がやや適当でゆがんでます。まあ、製品そのものではないので仕方ないですが。妥協案として接着は以前ここでもご紹介した「ひっつきむし」を各所に使いました。下記ブログもご覧いただければ嬉しいです。なお、強度も全く問題ありませんでした。

本当はもっとかっこいいスマートな設計があると思います。なにせ初心者なので設計に至らない点が多いですがご容赦ください。ブログ最後にSTLファイルを置きますのでひな形?としてでもご利用いただければ嬉しいです。(売る人いないと思いますが)非営利であれば特に制限なく改良、調整等自由に使用いただいて問題なしです。むしろアドバイスいただければ幸いです

実際の作品とstl

というわけで出来上がりがこちらです。
個人的には3歳児の息子ちゃんが拍手と大興奮で喜んでくれたのが一番うれしかったです。

youtube 動画も作ってみました
stlファイルダウンロードはこちら

ZIP形式で圧縮したstlファイルは下記からダウンロードできます。
汎用性がない為需要がない気がしますが、海外からお問い合わせも頂いたので公開です(笑)
snapmaker2.0購入時のフィラメントスプール用ですのでご留意ください。

3/21 追記 ファイルを最新のものにしました。ギアボックス等が入っているのでご覧ください

Ferris-wheel.zip

多分大丈夫だと思いますが何かファイルに問題があればコメント等頂ければと思います。

清き一票ありがとうございました。

最後になりますが、もし気に入っていただいたら今ちょうどやっているsnapmaker主催のリサイクルプロダクトの投票に清き一票をお願いします(笑) → 前述通り、賞を頂きました!ありがとうございましたー!!

最後までお読みいただきありがとうございました!