3Dプリンターで作る知育グッズ レゴ互換ディンプルキーを作成しました

2021年4月20日

256通りの組み合わせが可能な、レゴを利用したディンプルキーを作成ました。鍵の仕組みを学びながら2進法にも明るくなる?知育グッズです。3Dプリンターで作製しやすい形状や積層方向を意識しました。今回よくわかりましたが、snapmaker2.0はなかなか優秀で寸法誤差が少ない印象でうまく完成しました。近日中にデータもアップしたいと思っています。よかったら下記youtubeも併せてご覧いただければ幸いです。

知育グッズを作ろう

我が家に3Dプリンターが来てはや4か月。色々作って楽しく過ごしています。(個人的には)大作の幼稚園から小学校低学年向け観覧車型トミカ車庫に続いて、高学年向けにも何か作ろうと考えました。そうそう、トミカ車庫はこちらをご覧いただけると嬉しいです。

そんな中、twitterでお世話になっているもえやさん(@moeya_2020)がカギを3Dプリンターで制作しているのを見て、鍵を利用した知育グッズを思いつき、作ってみることにしました。鍵については、学生時代にはロッカーのカギや南京錠のカギをなくしたり忘れたりした方に、ピッキングをしていたのでなじみがあったことも理由の一つです。もえやさんのツイートは下記をご覧ください。youtubeのリンクもあります可愛く作品の完成度が高くてすごいですよね。

設計開始

今回作るものは自分で鍵と対応するピンの組み合わせることで鍵の仕組みを学び、組み換えが出来るよう、既存でどこの家にもある(?)レゴのパーツを流用してディンプルキーの形状にすることにしました。
作りやすさと遊びやすさを考えるとあまり大きく複雑なものは難しいので、実現可能そうな片面が8個のレゴブロック形状とし両面を使ってリバーシブルな一般的なディンプル形状にしています。8個にそれぞれ薄いレゴプレートを「置く」か「置かない」かの2進法にすることで理論上256通りの組み合わせが可能になります。
適当に考えたのが下の落書きです(笑)元々理工学系ではないのでこんなのしか書けませんでした(笑)

鍵の形状がレゴ規格なので他のパーツの大きさはある程度自動的に決まり、Fusion360を利用して設計を開始しましたが、今までのものと違って鍵はディンプルが物理的に突起部分と干渉して動くため、設計しても実際どう動くかわからないというのが難しい点です。鍵は通常、断面が滑らかなので鍵の出し入れが引っかかりませんが、レゴはカクカクしているため本当に完成するかこの時点ではわかりませんでした。精度的な問題も出てくることが想定されましたが、我が家のsnapmakerに託すことにしました。

機能的かつ3Dプリンターで造形しやすい形に

試行錯誤の途中は記録していないのでFusion 360での完成形が下記のようになります。
鍵はレゴ部品を取り付けることを前提に、左右対称になることを意識してサポートが必要なこの形状になりました。また、鍵の動きに重要なピンは扁球状を利用した形になっています。

内シリンダー部分はオーバーハングを意識した六角形とし、天井がほぼ必要ない形状にしました。外シリンダーも同様の形状を踏襲してサポートが必要ない形状となっています。(材料やプリンター、その他条件によってはやすりでの仕上げが必要な場合があります)シリンダーの押さえやピン部分の蓋もそのまま造形が可能です。
また、ディンプルキーは地面に平行に両側にピンが配列するため機構内にバネが必要です。当初はボールペンからばねを拝借することを考えていましたが3Dプリンターのみで完成させるために最終的にはばね部分はTPUで造形しています。ばねの強さは実際の環境で変わると思ったので大きめに作って、あとでハサミで切ったほうが効率がよさそうだったのでそうしました。

ばね部品の造形では以前よりお世話になっているはるかぜポポポ氏にtwitterで教わった花瓶モードを利用しています。前述の連続した6角形状により片側1つずつの部品で動かすことが出来ました。

実際の造形物

造形は我が家のsnapmaker2.0を利用し、PETGを素材としてkaika804ノズルを使用しました。TPU部分はサインスマートの透明TPUを使っています。amazonリンクを貼らせていただきますので、正直に言いいますが何かにご利用くださるととてもうれしいです!なおPETGはsnapmaker純正の物を利用しています。ショップへのリンクも貼っておきますね。

実際作っていくとやはりピン部分が上手く動くようにするのが大変でした。予想通り、レゴの凹凸にピンが引っかかってなかなか滑らかに動かないんですよね。。。最終的にはピンの形状を当初の真球から扁球形状に変更したりと、前述したように意外に苦労して出来た造形物が下のものになります。

ピンはいくつか種類がありますが、当初サポートが必要ない縦向きに造形したところ積層のギザギザがレゴに引っかかって鍵が動かないため、あえてサポートをつけて横方向の造形にしています。
サポートが必要なのは基本的にピンと鍵だけで、他の部品はすべてサポート不要になっています。

写真は最終設計よりちょっと古いバージョンですが、シリンダーを組み合わせて、左右それぞれの穴に鍵の形に合わせた2種類の長さのピンを挿入し、押さえの6角柱のピンとTPUばねを入れて蓋をして、反対も同様にピンを入れることで鍵が完成します。動画をみていただければわかりますが、ちゃんと合うカギを入れないとシリンダーが回りません。ピンと鍵の組み合わせを適切にすることで、その形状のカギでだけ回るようになっています。

リバーシブルなカギなので、片面ずつ同じ凹凸になるようにする必要がありますが、レゴ互換のノッチにプレート形状を設置するかどうかで、オリジナルのカギを作り、実際に動かすことができます。対象は小学校高学年以上くらいでしょうか??僕が面白いと思って作りましたが、誰か面白い!と言ってくださる方がいらっしゃれば幸いです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。