汎用の3Dプリントベッドシート購入 純正表面を剥がして交換してみました SnapmakerのオートキャリブレーションもOK

2022年2月11日

3Dプリンターを使っていると必ず傷んでくるのがプリントベッド(ヒートベッド)のシート。純正品は良いのですがお値段はそこそこします。ランニングコスト低減のため、小さめですが汎用品を買ってテストしてみたところ機能的には全く問題なく使うことができました。短期報告ですがご紹介させていただきます。

FDM方式3Dプリンターのプリントシートと交換時期

かなり使用頻度が高い我が家のSnapmaker 2.0ですが、FDM方式の3Dプリンターは基本的に1層目が肝です。最初ノズルから出た樹脂がベッドに定着しないと、その上の層が載せられないので100%造形に失敗します。3Dプリンターによりベッドの種類や方式は様々で、素材はコーティングされたシートだったりガラスだったり、取り外しについてもできるものととできないものがあります。さらに樹脂との密着性が問題になった場合には、テープを貼ったり、ケープ(整髪料、無香料スーパーハードがおすすめ)を吹いたり皆さん工夫されています。

なお、Snapmakerでは磁力でベッドにプリントシートを密着させており、脱着も容易ですし初期段階では定着も良好です。しかし長く使ったり、素材を変えたりするとアルコール等で脱脂したりクリーニングしても定着性に問題を生じます。それだけなら前述のケープで良いのですが、そのうちプリントシートが熱等で一部少し浮いたり凹んだりして平面でくなってきます。そうなったらプリントシートの寿命だと私は考えています。

snapmakerの本家ページにはプリントシートのメンテナンスの記事もあり情報が出ていますのでぜひそちらもどうぞ。(英語ですが)

純正品は鉄板の両面にシートが接着 キャリブレーションにも利用

Snapmakerの場合、鉄板の両面にプリントシートが接着されており、ベッドへの接着と共に磁気を利用したベッドの平行調整に使用されています。表裏使ったら交換って感じですね。

先の通り3Dプリンターでは1層目を定着させるためプリントヘッドとベッドが平行になっている必要があります。間隔の目安は0.1mmで、それを調整するためにベッドに高さ調整のダイヤルがついていたりします。snapmakerではその高さ校正をソフトウエア側で行っており、最後の一点の調整をUI上で行うだけで誰でも簡単に作業を終えられるのが美点の一つです。

品質を保持するための部品でもあり、交換費用はA250の場合、公式ストアにて3740円と決して安くはありません。まあお世話になっているので買うんですが、色々試してみたくなるのもまた、物欲ですよね。ということで新しいプリントシートを買うと同時に、古いシートの方は捨てずに剥がして再利用を試みることにしました。

買ってみた商品はこちら 純正よりちょっと小さい220mm 大

やってみなくちゃわからないとはいえ、うまくいかなくても使い道は色々ありますし、コスパが高い汎用品をAmazonで探してみました。ということで見つけたのがこちら。

同じ表面デザインのものが数種類売られている中で、5枚もシートが入っていて約2800円のプリントシート(2022年2月現在)が右のものになります。両面テープで貼り付けるだけの簡単な商品で、レビューはあまりありませんが、サイズ違いのもののレビューを見る限り致命的な問題はなさそうでした。

2800円で5枚も入っているため、純正と比較するとかなり高コスパです。その代わりサイズは220mmと純正より小さいです。なお250mmのものも売られていますが、私がみた時点では1枚1000円でした。まあ耐久性含めお試しなので単価が安い方を買うことにしました。

アマゾンリンクももしよかったらご利用ください。おそらく同じ物だと思いますが、5枚セットのものが記事執筆時点では単価が最も安いです。

純正プリントシートを剥がして貼り付け

届いたのがこちらになります。アマゾンプライムですぐ到着し、枚数やぱっと見の状態など含め商品に問題はありませんでした。プリントシートの表面材質はSnapmaker純正と似ている一方、シートそのもののはやや薄手な印象です。純正シートが25cm角なので予想通り一回り小さいですが、大きいものを作るときは純正使えばOK。裏面には茶色の両面テープが貼られています。ABS印刷ですと90度に熱せられますので耐熱の両面テープになっている、はずです。

なお、並べてあるのは今回購入した新品の純正プリントシートです。写真では伝わりませんが、非常にかっちりしています。

というわけで古い純正プリントシートを端から捲って剥がします。度重なる負荷により粘着面も傷んでいたためか、頑張れば素手で剥がすことが出来ました。両面テープの糊は残りましたが均一に残ったのでよしとします。本当は薬剤などで古い糊を剥がすのだと思いますが、負の影響がなさそうなのでそのまま貼り付けました。

見た目は悪いが機能はOK 耐久性はまた経過観察します

しっかり密着させた後は、ヒートベッドに貼り付けて実際に使ってみました。最初に確認したのはキャリブレーションです。個人的には中央部の鉄板さえ無事ならおそらく大丈夫だろうと考えていましたが、やはり問題ありませんでした。

次にテストプリント。試したのはABSですが、機能的には何の問題もなく、しっかり樹脂が定着しました。新品のプリントシートにありがちですが、樹脂の食いつきが良すぎて剥がれない現象がこのシートでも発生しましたので表面性能そのものには問題ありません

実際に造形したものが下になりますが、これはケープを吹いています。不安定なものでも接地面は良好で、ブリムが恐ろしい顔みたいになっててびっくりしましたが、表面が良好なことはわかっていただけるかと思います。

個人的にはヒートベッドとして使用した際にどれくらいの時間、高温に耐えられるか、と言うのは興味深いところです。特にABSだとPLAと違ってベッドが90度近くに熱せられるので、両面テープの性能がこのシートの寿命を左右しそうです。一方でベッドの温度上昇については、今回は純正のシートを剥がして取り付けているので問題は生じませんでした。おそらく純正シートの上に貼り付けてしまうと熱伝導の問題でベッド表面温度が上がりにくくなってしまうので、Snapmakerについてはシートを剥がして取り付けたほうが使い勝手が良いと思います。

さて、5枚3000円以下のお得な互換品、また耐久性など見ていきますので今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。
それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!