初心者の3Dプリンター生活 Fusion 360とsnapmakerでギアを作ろう
みんな大好きな?「ギア」、歯車を3Dプリンターで作ってみました。工夫次第でベルトも作ることが出来るため動力を利用した造形物の作成が比較的容易にできるのではないかと思います。全くの素人なので、ギアの「規格」ともいえるモジュールというシステムも初めて知りました。興味のある方、お読みいただければ幸いです。プロの方は色々教えてください!
ギアを作ろう
今回ギアを作ろうと思ったきっかけは単純に作ってみたかった(笑)というのに加え、以前ご紹介させていただいたトミカ観覧車の発展型としてハンドルで回る形にしたかったということがあります。ただスプール部分とハンドルを直結するとハンドル1回転でスプールが1回転してしまうため、3歳児が遊ぶとトミカが吹っ飛ぶ未来しか見えませんwww そこでギアを作ってリダクションしてあげれば、ハンドルをぐるぐる回しても被害が出ないのではないかと思いました。
また、ハンドルの回転軸は中心に置きたかったので、なんとなく最小限のギアを組み込んで外側がまわる使用にして、スプールに引っ掛ける感じにすることにしました。適当にスケッチをしてこんな感じにしよう!と決めました。ちなみにその時点での落書きがコレ・・・我ながらヒドイです。あえて出しますが、こんなのでいいなら私もできる!と思っていただければ幸いです😆
モジュールって何?
さて、実際歯車を作ろうと思ったときに疑問に思ったのがギアの仕組みです。どうやって歯車の数が変わってもかみ合うギアが作れるのか、そもそもどういう規格でギアが作られているのかも私にはわかりませんでした。
調べてみると、ギアの規格はモジュールとよばれ、モジュールを合わせることでかみ合う歯車を作れるとのことがわかりました。参考にさせていただいたのは海上技術安全研究所の、物づくりのための機械設計工学のページです。
ここにあるとおり、このモジュールがギアがかみ合うための肝になります。歯車の基準の直径を歯車の数で割った数になるため、モジュールが大きいほど大きく荒い歯車になる訳です。JIS規格では推奨されているモジュールが決まっているのですが、今回はそこは無視して0.4㎜ノズルでも作りやすそうで計算が楽で、適切な減速比が得られそうなモジュール1.2としました。また、本来歯車は奇数の歯車と偶数の歯車を組み合わせるのが理想ですが、今回は子供のおもちゃなのでいずれも偶数歯車としました。
モジュールを先に決めた場合、歯車の数を決定することで歯車の直径が自動的に決まります。今回は大きさの制約があまりないため自由に作りましたが、使う場所が決まっている場合は慎重にモジュールを決める必要があると思います。
Fusion 360のアドオンで簡単ギア作成
さて、調べてみると案の定、Fusion 360では誰でも簡単にギアを作れる仕組みがあることがわかります。標準で使えるのはSpurgearというアドインですが、これだと内歯車を作ることができないことがわかりました。今回は内歯車が欲しかったので別にFMgearsというアドインをインストールしました。
ざっくりですが、Fusion 360のアドインからwebページへ飛んで、FM gearsを検索してダウンロードします。ダウンロードの際にはアカウントが求められます。ダウンロードファイルを実行すると署名がないのでwindowsにはねられますが、めげずに「詳細」からインストールを継続します。(セキュリティリスクについては個々の責任でお願いいたします。)インストールが完了すると、Fusion 360上からアドインを選択し追加することができます。
一度追加してしまえばソリッドから呼び出して自由に使えます。自分の好きにパラメータを入れてボタンを押せばギアが完成します。今回のギアは当初の予定通り、中心部の軸に小さめのギアを置いて、左右対称に減速比2のギアを置いて、その外周に内歯のギアを設置しました。完成図が下記になります。組み込み後の動きもよろしければどうぞ。なお、途中子供に壊される試練が色々あり、バージョンアップして形状が変わっています。
どんな感じか印刷してみたい方がもしいらっしゃったら、観覧車のSTLファイル一式に入っていますのでこちらのページ下部のリンクからダウンロードしてくださいね!
工夫次第でTPU製のベルトも作れます
まだどう使うかは考えていませんが、動力として歯車を考えた場合、チェーンやベルトで駆動したほうが楽な場合も考えられます。最近twitterで話題のスパイラルモードを用いTPUを使用してギアを造形すると、なんと一体形成のベルトが作れます。そのまま作ると歯が外側なので、造形後にくるっとねじって反転させてあげるだけです。ちょっと試しただけですが厚めに作れば強度も問題なさそうです。何よりつなぎ目がないので断裂する心配が非常に少ないのが利点になります。
スパイラルモードについてはtwitterでもお世話になっている下記のはるかぜポポポ様のnoteが参考になりますので是非ご覧ください!この場を借りてお礼申し上げます!ちなみに結構調整が要りますので、snapmaker2.0での印刷パラメータなどもし必要あればお問い合わせくださいね。
なによりベルトの歯車数を指定するだけで簡単に作成できるのが利点で、必要な長さに合わせて歯車数を決めることもできます。元が歯車そのものなので、かみ合わせもばっちりで(クリアランス調整は必要)太目に作ればそれなりのトルクに耐えられそうな感じになりました。試しに手で引っ張ってみましたがちょっとやそっとでは破断しなそうです。アイデア次第で色々なことができそうな気がします。
今回も最後までありがとうございました!
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