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Unihertz Jelly2 のハードケースを3Dプリンターで作成 サラッとして質感良好

2021年7月26日

Jelly2は購入時に専用のソフトケースがついているのですが、夏場少しベタつくのと、黄ばんでしまったこともありケースを自作してみましたのでご紹介させていただきます。ぴったりサイズで作ったため、本体に嵌め込めないトラブルがありましたがなんとかなりました。

2021/11更新 DMMで購入も出来ます(高いけど)経緯はこちらもご覧ください

Jelly2のケースが欲しい

Unihertz Jelly2は小型軽量が特徴のSIMフリーAndroidスマホです。2万円台で購入できるFelica対応の端末でありながらそこそこの性能と十分なメモリとストレージを持っているためメインでも利用できるポテンシャルを持っています。当ブログでも紹介していますので詳細は下記リンク等ご覧いただければ幸いです。

購入時にTPU製と思われるソフトケースがついていたのですが、暑くなって最近ちょっとベタつくのと、早くも黄ばみが出てきました。ちょっと調べてみると、案の定あまり選択肢がありません。まあ、台数出ないので仕方ないですが。。。社外品があまり見つからなかったので、せっかく3Dプリンターもある事ですし、勉強がてら自分で作成してみることにしました。

3Dプリンターを前提としたケースの設計

設計にはいつもの様にFusion360を使用しました。スマホの各所をノギスで計測し基本設計を作ります。Jelly2は端末側面が局面で構成されているのでちょっと面倒です。全面が完全にフィットする形状ではなく角には少しゆとりを持たせて落下時の衝撃から守れるように配慮しました。曲率を図る道具も世の中にはあるのですが私は持っていないので、適当に作って試作をいくつか作成しました。

形状としては単純なのですが、フィットする形状を作るのは意外に大変です。今回自分が欲しかったのはTPUのソフトケースではなくハードケースなのでジャストフィットする形状が必要でした。ゆるいと浮いてしまいますし、きついと割れてしまうため、ボツの形状がたくさん・・・。また、各種ボタン部分などの穴あけが必要な部分の微調整も同時に行いました。穴部分は形状作成後にブーリアンで空けるため、修正が楽で助かります。

もちろん、ハードケースが作れれば、材料を変更するだけでソフトケースも理論上作成可能です。これは材料を選べるFDM方式の3Dプリンターの強みだと思います。最終的にケースの厚さは3Dプリンターのノズル2個分の0.8mmとしました。作成に当たっては穴を開けた部分を含め、サポートの必要が少なく、3Dプリンターで造形しやすくする必要があります。そのため底面はJelly2の形状に合わせずあえて平面とし、カメラと指紋認証部のみ穴を開ける形に落ち着きました。底面からの立ち上がりはオーバーハングになりますが、その他は造形しやすい形状になっています。

スライサーの設定

スライサーは常用しているCuraを使用しました。設定としては下記のような感じにしています。今回の素材はPLAです。

  • 積層は0.2mm
  • なめらかな表面にするため隙間充填はなし
  • サポートオーバーハングは60度
  • サポートルーフを設定する
  • 穴部分をきれいに出力するため、またサポートが外れにくいようにサポートの水平展開1mmに
  • フローはちょっと多めに(充填がないので)
  • 引き戻しは1mm程度(ダイレクトエクストルーダーなので)

造形後取り外すときと、サポートを外すときはゆっくりニッパーで切ってやった方がいいです。無理に引っぺがすと割れます。個々のプリンターでも異なると思うのでいい感じのところを探してくださいね。
形としては素直なのでそう困ることはないと思います。
コツとしてはこんなところかなと思いますが、なにかわからないことがあったらご質問くださいね。

取り付けにドライヤーが必要

まず形状がぴったりしていないとケースとしては使えません。PLAを使用したハードケースの場合、3Dプリンター慣れしている皆さんはお分かりになると思いますが、4隅のコーナーバンパーが邪魔になってそもそもケースに入らないという問題が発生しました。

無理に入れようとすると当然のように割れます(笑)結局割れないように入れるためにケースをドライヤーで熱して柔らかくしつつスマホを入れます。温度が下がると固まってしまうのでササっとやる必要があります。
当然のように写真がありませんが、入れる側の角を重点的に温めて広げる感じでJelly2を入れました。ケースの破損と低音やけどに注意が必要ですね・・・。

温めたついでにちょっと周囲を押してよりフィット感を向上させるとベターな気がします。

炎天下で置いておくと多分ゆがむと思いますが、ケース作成後しばらく使ってもスマホの発熱くらいでぐにゃっとすることはなさそうで、今のところ当方では問題になっていません。PETGやABSで作るのもいいかもしれませんね。

STLはこちら でも欲しい人いるかな??

Jelly2自体がニッチな端末ですし、正直需要あまりないかもしれませんが、公開させていただきます😅
FDM3Dプリンターならこれで大丈夫なのではないかと思います。

Uniherts Jell2 hard case

STLファイルはこちらです。

ファイルは2種類です。コーナーバンパーがない浅い形状のものと、バンパー付きのものです。

※バンパー付きのものは装着時にドライヤー等で加温し柔らかくしないと入りません、多分。
※非営利目的であれば自由に改変等していただいても構いません。

さて、オリジナルケース、いかがでしたでしょうか?シンプルな形状なので底の部分に穴を開けた設計にしたり、周囲に更に装飾をつけるなど、応用範囲は広いと思います。STLを利用されてなにか作った方はぜひ教えて下さいね。

当ブログにお越しになる方は3Dプリンターがどういうモノかよくご存知の方が多いと思いますが、Jelly2関連の方でも興味を持っていただければ嬉しいですね。現物が欲しいという方のために、DMM.makeさんで買えるように申請しました。経緯は一番上にある通りですが、商品リンクも貼らせていただきます。

今回も最後までありがとうございました!