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初心者の3Dプリンター生活 色々な素材で印刷してみよう TPU 編

2021年2月16日

snapmaker 2.0 をはじめとしたFDM方式の3Dプリンターでは様々な素材が利用できます。しばらく前にサインスマート製のTPUフィラメントを購入しました。フレキシブルなこの素材、使い方次第で色々な用途に応用できそうですのでご紹介させていただきます。なお、TPUのフィラメントは柔らかく当方で使う際には少し工夫したほうが良い結果を得られる印象でした。少しでもどなたかの参考になれば幸いです。

TPUの性質と特徴

今回ご紹介するTPU(熱可塑性ポリウレタン)は簡単に言えば柔らかくて曲がる素材になります。スマホケース等に利用されている弾力性と伸びのあるフィラメントです。硬度や伸び率などはメーカーや素材で異なっておりTPUと一口で言っても様々なものが販売されています。
お値段も安いため、利用しやすい素材ですが、湿気に弱いため保管に注意が必要です。造るものが限られることが多いので1kgを全部使うのはよほど目的がないとむしろ大変かもしれませんね。
試していませんが熱にも弱いため、60度超えるような場所(夏場の車内など)では使用できないと思います。

なお、今回購入したのはサインスマート社の透明TPUになります。フィラメントはコシはまああるものの基本的にぐにゃっとしていて、冷麺?みたいな感じです。量は800gになります。

粘りと引張強度が強くフィラメントを持って引っ張っても伸びるだけですぐにプチっと切れません。繰り返し折り曲げてみても外観上はあまり変化ありませんでした。

amazonリンク貼らせていただきますのでよかったら使ってください!

実際に使用した限りでは積層間もしっかりくっつけば容易にはがれたりせず、壊れにくい印象です。出来上がったものがぐにゃぐにゃかといえばそこまでではなく、キューブ状の物であれば壁を厚くインフィル多くすればほとんどゆがまない硬さにすることも可能です。ネット上の情報を見る限りもっと柔らかそうなものも多く、おそらくサインスマートのTPUはTPUの中では硬いほうなのだと思います。

snapmaker 2.0で使用するにあたっての工夫

さて、今回購入したTPUですが、ダイレクトエクストルーダーのsnapmaker2.0では何の問題もなく使える、、と思いきや、最初うまくいきませんでした。TPUの種類にもよるのだと思いますが、今回購入したTPUはエクストルーダーのギアの圧力が強すぎたのか、よれてしまってエクストルーダー内でフィラメントがひん曲がってしまいうまく送れませんでした。

個体差もあるのかもしれませんが、写真の部分のローラーがギアとフィラメントを密着させる機構のところでクランプ圧が強すぎるみたいです。どうしたもんかなと思いましたが、結局写真のところに紙を数回折ったものを挟んでクランプ圧を下げました。(下げすぎると送りが悪くなりますのでフィラメントローディングしながら適当なところを探したほうがいいです)

そのほかはおおむねsnapmaker純正のセッティングで問題なく印刷できます。初期レイヤーのライン幅を増やしてあげて、ちゃんと引き戻しをつけてあげれば特に問題なく利用でき、糸引きも軽微でした。
ただ一般的なTPUの注意事項として造形スピードは落とす必要があります。snapmaker Lubanは設定可能な項目があまり多くありませんが下記が参考になればうれしいです。

実際の使い勝手と作成物のご紹介

さて、実際の使い勝手ですが、当然ですが造形物を選びます。使用する前はほぼ透明のフィラメントですが、造形物は積層で乱反射することもあってちょっと光沢のある白い感じの色になります。光を透過するのでアイデア次第でで色々利用できるかと思います。私が作成した実用的なものはランプシェードです。

元々のソケット部分よりちょっと小さめに作ってはめ込むことにより固定できます。
LEDは消費電力が小さく、温度がそこまで上がらないためこれが可能でした。
ほかにも外部スライサー(cura)を使用してフローを限界まで上げて樹脂の間を埋めることで実験的ですが半透明の曲がる板を作ることもできます。大したことはない造形物でもライトを組み合わせることで雰囲気あるものが作れる印象でした。

この「少し小さめに作ってはめ込む」ことができるのはTPUならではの特徴でパッキンみたいにはめ込むものも作ることができます。下記のような子供のおもちゃの修理部品としても利用できました。
他に作ったのはIKEAの電車とプラレールの電車を接続する部品等です。これもマグネットで本来つなぐIKEAの動力車をプラレールの接続部の部品も作成できます。、やや緩いものの実用的なものが作れました。小さい子供が乱暴に扱っても破壊されないのはTPUの利点ですね。

プラレールとIKEAの接続についてはもしよかったら下記も参照いただければとても嬉しいです!

FDM方式の3Dプリンターをお持ちならぜひ!

TPUはにおいもなく値段も安いため手が出しやすい素材です。年少児に容易に破壊されないのもありがたいです。光が通るシーンやはめ込む形式のもの、場合によってはベルト状のものなど初心者ながら可能性が感じられる素材でした。
まだ初心者の当方では工夫が必要でしたし、ボーデン式だと吐出不良もよく報告されているのも事実ですが、とても楽しめるフィラメントだと思いますのでぜひ試してみてくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました!