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フィラメントスプール巻き取り式MakerChipホルダー制作 3DPの集い in 大阪 成功おめでとうございます!

今回はA1 mini等小さいプリンターでも制作が可能で、ごみになりがちなフィラメントスプールを再利用につながるMakerChipホルダーのお話です。ホルダー自体の形状を工夫し、多少のサイズ違いでも保持が可能で作りやすい形状のものにしました。どなたかの設計のお役に立てばと思います。

まずはポポポ師匠のnoteをみよう

今回ご紹介のMakerChipホルダーは簡単なものではありますが、設計の思想には3DP界の巨匠、グーテンベルクのはるかぜポポポ師匠の影響を強く受けております。こちらのnoteをぜひ。500円なんてものではないですよ、これの価値。

なお下記の3DPの集い in 大阪では、ポポポ師匠のnoteの印刷バージョンもありました。なんと制作物との交換も可という太っ腹!!当然私もゲットしました!きっと今後また会があれば頒布されるのではないかと思いますのでチェックしてくださいね!

3Dプリンターを使って何か作るとき、自由な形ももちろん素晴らしいですし、最近はプリンターやスライサーの性能向上により、多少無理をさせても何とかなるようになってしまいましたが、物理的に3Dプリンターを取り巻く因子は変わりません。このポポポ師匠のnoteには日常の「3Dプリンター用の設計」のtipsがたくさんあり、これは色褪せることがないのです・・・

3DPの集い in 大阪開催! MakerChip交換もますます盛んに

私は名古屋から遊びに行っただけで何も成していないのですが、3DPの集い in 大阪に遊びに行ってまいりました。詳細は主催のyskさんのアカウントや3DPの集いのアカウントをぜひ。今回は会そのもののご紹介はしませんが、皆さんと色々お話しできたり情報交換ができるなど、非常に有意義な会でした。

そのうち、私もFreeCADブログをまとめた薄い本でもだそうかしら・・・?需要が読めないからちょっと踏み切りにくいですね(笑)

それにしても界隈の皆さんのエネルギー、素晴らしいですね。色々自分にはできない、思いつかない素敵なものであふれていました!また、会場が本当に素晴らしくてびっくりしました。こんなところで会やっていいんですね・・・!余談ですが、その昔嫁様のお友達はここで披露宴やったそうです。すごいなぁ。大阪市中央公会堂、是非行ってみてください。

そして前回JRRFでも話題になった、集まる皆さんのMakerChip。今回も前回と同様、ものすごくやり取りが活発でした。私も自分のものを持って行ったので皆さんに交換していただきましたが、皆さんの作ったものを色々見るのがすごく楽しくて、本当に面白いです。個人的にはみんなが凝ったものを作る必要は全然ないと思っているのですが、同じくらいに凝ってしまう気持ちもわかります(笑)結局作るのが好きな方々が集まっているということですよね。

当ブログでもMakerChipについてはいくつか記事がありますのでよかったらこちらもぜひ。

交換させていただいたMakerChipは単品でも見どころいっぱいですし、発見が色々あるわけですが、保管をどうするか、という話はありますよね。100均ケースなんかでももちろん良いと思いますし、MakerworldやPrintablesには、JRRFの主催もされたYuTR0Nさんが設計された、めちゃ良く出来ているMakerchipホルダーが公開されています。

これ、作った後Makerchipを入れるとばねっぽくデザインされた部分がちゃんと機能するようになってちゃんとホールドしてくれるすごいやつです。私も作りました。今回の会でも使われていましたし鉄板だと思うのですが、私のVORON0やA1 miniだと大きさが足りなくてそのままだと作れないんですよね。

この会はもちろん、Twitter(X)を見ていても、やはりA1 miniで3Dプリンターを始める方は結構いらっしゃったので、こうした小さいプリンターでも手軽に作れて、手間がかからず、保管や使うのに面白さがあるホルダーを自分で設計してみることにしました。そこで考えたのが、下記です。

フィラメントスプール再利用のホルダー A1 miniでも大丈夫!

私はそんなにモデル作りが上手なわけではありませんが、完成度が高いものがすでにある以上、方向性とアイデアで違うものを作りたいと考えました。そこで思いついたのが今回のフィラメントスプール再利用ホルダーです。大抵のスプールにはフィラメントと固定する穴が開いているので、それを利用すればMakerchipホルダーが固定できるじゃない!という単純な発想です。また、設計もなるべくわかりやすく、初めて見る方のためになるものがいいなと思いました。というわけで作ったのが下記になります。フィラメントスプール1つに大体40枚くらいのMakerChipが収納できます。

設計としてはフィラメントスプールの幅に収まるサイズであることが前提で、ある程度のホールド性があり、多少サイズが異なっても対応できる柔軟さと、かつ印刷があまり大変ではなく時間がかからないもの、というコンセプトです。自動的にかなり小さいベッドでも最低1つは印刷できるものになりました。

フィラメントスプールゴミって結構出ますし、プリンターを買って最初のほうにこんなのを作りましたが、何かに再利用できるといいですよね!

実際の設計

今回はFusionを使いました。あれこれこねくり回そうとすると、やっぱり便利なんですよね、Fusion(笑)。FreeCADブログ書いている身ではありますが商品開発が目的でなく、広く公開することが目標ならFusionで作るほうが早いです。やっぱりFusionスゴイ。

まずはメーカーチップを作ります。全体に気持ち大きめにしています。厚めにして角を削っておくことで後々この形状をブーリアンした際にうまく角が接触する形状ができます。

本体はこんな感じで作っていきます。メインのフレームを作って横から入れられるように削っておいてからメーカーチップをブーリアンで削り取ります。これで横からスライドインできるようになりました。

オーバーハングになる部分は追加で削り取って、内側の角は丸めておきます。3Dプリンターで作ることを意識した場合、オーバーハングは最小限にとどめるべきです。このままだとスライドできますがそのまま下に落ちてしまうので底面部分を付け足しました。この際はスライドしたチップが落ちないように底面に新たなスケッチを描いて溝付きの足部分を付け足しました。円はメーカーチップの面取した内径をプロジェクトしています。これで下に落ちなくなりました。完全拘束していないのはご愛敬です(笑)。

ここまでくれば全体の形はもう一息。すり抜け防止のボッチを付け足してフィレットして、全体の形を整えます。(抜け防止に実はちょっと延長しました)その後、フィラメントを通す穴をあけましょう。ポポポ師匠の教えに従い、ここは直径2mmの円に外接する6角形です。フィラメントを通す際にフィラメントが見えるようにスリットにしています。

ヒンジ部分にするために両側をそれぞれ切り抜いて、隙間ができるように手前側の両側面をオフセットしておきましょう。これでヒンジも完成です。ただ、ここで問題になるのは形状です。

今のままだと底面がこの形状になるのですが、非常に細長い長方形が積み重なることになり、1層目が不安定になります。また、フィラメントもちょっと緩く手抜けやすくなってしまいます。そこで、印刷のしやすさとフィラメントの適度な固定のために、この長方形をつなぐ部分を厚さ0.2mmで作ってあげました。私の環境ですと1層目は線幅が0.5mmなので、1mm幅、0.2mm分押し出します。これですべての島がつながり印刷の失敗が少なくなります。

あ、そうそう。後で気づいたのですが、このままだと曲がるときに引っかかってしまうので縦横方向も1mmオフセットしました・・・。あとは装飾として角をとって完成、と言いたいところですが。

もう一つ、最後にスリットを入れておきましょう。これはスライサーのパスを見ると理由がわかります。この状態だと3つの四角を最初に塗ってしまいます。これだと定着ミスの原因になりかねません。なので、ここもポポポ師匠の教えに従い、スリットを入れておきます。このスリットが入ることでノズルパスが一筆書きになりました!!これがプリンターに対する優しさです。ちょっとしたモデリングの違いでノズルの動きをコントロールできる、素晴らしいですね・・・!!

なお、これについてはMakerworldに通常版とeasy版それぞれ公開していますのでよかったら確認してみてくださいね。実際のノズルパスを見ると3DP用の設計の面白さが分かると思います。つまり何が言いたいかっていうとポポポ師匠のnoteは必見です(笑)。素晴らしさがお分かりいただけた皆様はさあ、note見ましょう。

私のモデルはこちらになります。

こんな感じになりました ぜひお試しください

というわけで完成したのがこれ。通常サイズのメーカーチップを入れていますが、振ったりしても落ちることはなく、表も裏もほとんどの部分が見えますし、半周は側面も見えて視認性ばっちり。フィラメントで固定する部分は橋渡しした部分がちょうどストッパーになっています。また、動画もお見せしていますが、樹脂部分が想定通りゆがんでかっちり固定が出来るようになっています。これがやりたかった(笑)。ここはCAD上だと再現は出来ないので思いついたら作ってみるしかない部分です。

ということで色々作るのって楽しいですよね。モデリングとしては全然大したものではないのですが、個人的にはとてもいい感じに作れたと思いました。ポポポ師匠のおかげです!!良かったら印刷して試してみてくださいね!

因みに今回のスピード感としては13日に大阪の会があって、翌日にコレを思いついて、ブログになるまでが1週間弱。悪くないのではないでしょうか・・・寝る時間が大分無くなりましたが結構頑張っていると思っていただければ嬉しいです(笑)

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!