Meta Quest 3 3Sのお供に 調整がしやすいバッテリー付きストラップ KIWI design H4 Boost レビュー 充電時間が速いのも強み
私はVR酔いしやすいのでフェイスインターフェースを外してオープンでこれを使用しています。没入感とのトレードオフにはなりますが大幅に酔いを減らすことができるこのタイプのストラップは非常にありがたいです。今回はKIWI designとのタイアップでこのブーストストラップを使用させていただいたのでレビューします。
KIWI designの最新バッテリー付きストラップ H4 Boostについて
KIWIはVR関連のアクセサリーを多数販売しているメーカーです。2015年の創業とのことで意外と歴史があり、日本ではAmazonストアを中心にアクセサリーの販売が行われています。AppleのVision ProやValveやPSVRのケースや充電スタンドも取り扱いがあるようですが、メインはMeta Quest シリーズです。Metaとはパートナーシップが結ばれており、親和性に問題はありません。
今回のH4 BoostストラップはKIWI designからMeta Quest 3S発売と同時にアクセサリーとして販売が開始されたバッテリー一体型のストラップです。もともとQuest3と3Sがアクセサリーどうしの互換性が高いため、私のQuest3にも問題なく装着することができます。
VRゴーグルのストラップにはいくつか方向性がありますが、このストラップはごつくなりすぎず、バッテリー容量も重量も控えめで、充電スピードや調節性に重きを置いたストラップだと思います。コスト面では必ずしも良いとは言えず、重量級のVOVOVR S3 proと値段が変わりません。しかしながらセールされることも多く、この記事執筆時点では5000円OFFのクーポンがあります。機会をうかがって購入するのが良いかもしれません。Amazonリンクもよかったらご利用ください。ブラックフライデーでは値段どうなるのかな??
サムネイルをご覧いただけば一目瞭然ですが、純正の前後でぐっと顔に押し付けるタイプのストラップと異なり、このタイプのストラップはおでこと後頭部下方でQuestを支えるのが特徴になります。顔面の圧迫感がなく、後述のようにフェイスインターフェース(接顔部)なしでゴーグルをつけることができるのが大きい特徴です。バッテリーが後方につくことで前後の重量バランス是正も行うことが出来ます。
なお、今回の記事ですがKIWI社より、この商品をがっつり使用させていただきレビューを書いております。この場を借りて御礼申し上げます。なお当ブログでは今までと同様、実際にある程度商品を使い倒して、良い点のみならず改善点や課題も含めて正直にレビューすることを条件にさせていただいています。他の記事と同様、安心して読んでいただければ嬉しいです。
H4 Boostストラップのスペック、特徴と利点
あまりメジャーなプロダクトではないので簡単にスペックと特徴を記載します。
項目 | 詳細 |
---|---|
製品正式名称 | H4 Boost Halo Battery Strap |
対応機種 | Meta Quest 3/3S |
価格 | 1-1.5万程度 |
重量 | 446g |
バッテリー容量 | 5300mAh / 20.4Wh 25W充電 |
Quest追加稼働時間 | 2-2.5時間 |
充電機能の特徴 | 45Wアダプタで本体と同時充電可能 2.5時間でフル充電 |
60分急速充電機能 | 上の条件で約120分の稼働が可能 |
装着性 | フェイスインターフェースなしで利用が可能 |
調整機能 | 後方ノブでのフィット調整 上ストラップでのかぶり調整に加え 前方ノブでの高さ調整も可能 |
安全性 | 外部認証機関(TUV)で安全性とパフォーマンスを確認済み |
上の通り、ストラップ自体のバッテリー容量は控えめでQuest3(5060mAh)とほぼ同容量です。そのためフル充電時のプレイ延長時間は2時間強となっていて10000mAhクラスのバッテリーと比較すると見劣りします。一方で重量も軽量で446gは軽いほうじゃないかなと思います。参考までに、meta純正のEliteストラップが比較的簡易な構造の17.9Whバッテリー付きで331gです。構造を考えれば妥当な重量だと思います。
充電については公式に図がありますが45Wアダプタで充電した場合、ストラップと本体が同時に充電されます。もともとQuest3は20W程度でしか充電できないことを利用して、本体とバッテリーストラップを並列で充電できるようになっています。このため体感でもかなり充電速度が速いです。
装着性と調整機能の充実も個人的には素晴らしくて、特に2人以上が利用する際などとても楽です。これについては別項目で記載させていただきます。
製品外観など
というわけで実際の製品です。箱は非常にコンパクトにまとまっています。Quest3とデザインが共通しており、この辺もパートナーシップを感じます。梱包もシンプルですが製品はしっかり守られていました。取り出してみると素材感もQuest3と同様な感じで、高級感はありませんがしっかり作られている印象です。本体の支えがあるほうが前面ですが、前後左右で比較的シンメトリーなデザインになっています。後方左側から充電のケーブルが伸びています。ケーブルはもう少し短くてもいい気がします。余るので。
上にはマジックテープタイプのストラップと、後方の前後径調整用のノブ、前方の角度調整用ノブの2つが見えます。なお、本体の装着は穴に合わせる感じでリジッドに行われます。裏側はこんな感じ。クッション性には問題ありませんでした。本体の前後調整は比較的硬くなっていて容易に動かないようになっていました。経年で緩くならないか、今後も見ていきたいポイントです。
Quest3との接続
Quest3との関係性を見てみましょう。1枚目はQuest3のストラップを外した状態です。ストラップの取り付けは一旦フェイスインタフェースを外して行います。その状態で取り付けて、元々上部のストラップがついていた部分に調整部分をはめ込む方式です。その後必要に応じてインターフェースを戻します。
取付後の一体感はなかなかで、純正品のようです。USB-C接続部やイヤホン接続部も完全にマッチしています。素材感も合わせてこの辺は良く出来ていると思いました。ここでもやはりUSB-Cケーブルがちょっと長い。調整幅を考えると仕方ないのですがせっかくなのでキレイにまとめたくなります(笑)
充電と装着について
後方上部にバッテリー残量を示す小さいLEDが4つあります。4つでフル充電です。本体と接続している状態で2枚目、このLEDの反対側にあるUSB-Cに充電器をつなぐと本体とストラップ両方が同時に充電されます。45W以上のPDアダプタを使用することで前述の通り高速な充電が可能となっています。Quest3、結構電池の消費量は多い印象なのに、対応する充電は20W程度と比較的少ないです。最近のPD対応充電器のスピードを活かせるこの仕様は好感が持てます。ただストラップの充電容量も大きくはないので使っているとみるみる減っていきます(笑)
装着はかぶって前後の調整を行うだけなのですが、着け外しの際は写真のようにちょっと跳ね上げる感じでQuest3装着部を持ち上げることが出来ます。後方のノブを回さなくてもパッと外せるのは良いところです。緩める方は空回りしないようになっていますが、締める側は手で押してもすっと縮みます。感じとしては上のマジックテープのバンドでかぶる深さを決めて置き、そこまでかぶってからおでこと後頭部でしっかり固定する、という手順です。マジックテープを止めなおすタイミングはかぶる人が変わらない限りまず不要なのであまりいじることは無いと思います。
しっかり被った後は目の軸に合わせて前ノブでQuestの高さ調整が出来ます。かぶり具合で変わりますが、こちらも普段あまり変更することはありません。調整幅は意外と大きくて、様々な顔にマッチすると思います。最終調整部分がここですね。個人的にこの調整が出来るのがこのストラップの強みだと思います。例えばソファに転がって後頭部を付けると若干フィットが変わって角度がずれたりするのですが、その際もこのノブの調整だけで済ませることが出来ます。
これらにより比較的簡便に位置合わせが出来るので、たとえば我が家でねこあつめを見ていてうちの子がゴーグルを被る際なども再調整が簡単で有難いです。
気になった唯一の弱点 ストラップの電源が切れない
では、この商品の問題点はないのか、というと明確な弱点があります。それが電源管理。このストラップはバッテリー一体型で物理スイッチなどがありません。USB-CでQuest3につなげた場合、ずっと本体を充電し続けてしまいます。100%になってもトリクル充電が行われ電源が切れないので、勝手に放電してしまいます。Quest3の充電ランプが緑点灯のままになるため、使用していないときはケーブルを取り外しておく必要があり、つなぎっぱなしだとストラップはすっからかんになるんですよね。
もちろん本体は100%充電されるのですが、使用後いちいちケーブルを抜くのはかなり煩わしいです。電流量が木低値を下回ったらオートパワーオフするなどの機能が欲しかった・・・。ここが改善されれば完璧なんですが・・・。ここはKIWIさんに何とかしていただきたいところです。
フェイスインターフェースなしは本当に楽で、酔いにくい
まあ、そんな弱点はあるのですが、装着感含めフェイスインターフェースを外した状態でのVR体験は本当に快適です。実物だと見苦しいので3Dスキャンした私の顔を載せますが、こんな感じで目とQuest3が完全に離れた状態で使用することが出来ます。顔の表面に接触していません。
当然視野の端っこはリアルになり、没入感は大分なくなりますが、私にとってはそれこそが利点でした。そう、VR酔いがしにくくなるんですよ・・・。多分視野の端が動かないからだと思うのですが、確実に酔いにくくなりました。
またフェイスインターフェースを取っ払うとそこそこ長い時間VRでモデリングしたり、Amazonプライムビデオを見たりしてもストレスがないです。勿論使うシーンにもよるのだとは思いますが私の場合はこのフェイスインターフェースなしが現状の最適解かなと感じています。欲を言えば純正よりもっと簡単に脱着できるフェイスインターフェースがあれば、用途に応じた使い分けがよりしやすいと思います。爪でハマっている感じで壊れやすそうなんですよね、この部分・・・。
蛇足ですが、本当にQuest3は優秀でMR表示した際、端に見える視野とQuestの視野のずれが本当にないんですよ。思わぬところでQuest3のすごさを感じました。
安くはないがユーザー体験を改善できるストラップでした!
冒頭でも書きましたがこの商品は決して安くありません。バッテリー付きとは言えストラップに1万円以上払うかと言われればNO、という方もいらっしゃるのではないかと思います。とはいえ純正品よりはずっと安いですし、セールなどで何とか1万円程度の出費に抑えて購入すれば確実にVRライフは充実する商品だと感じました。
顔の圧迫から解放されるこのストラップ、検討の価値は十分あると思いますので検討してみてはいかがでしょうか?ニーズに合わせた素敵なVRライフを!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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