Xiaomiユーザーには特に恩恵が大きいモバイルバッテリー Xiaomi 165W Power Bank 10000mAh レビュー 重くて大きいが充電速度が魅力
165Wというよくわからない表記は正直やめて頂きたいですが、モノ自体はXiaomiだけあってコスパが高く良いものだと思います。この商品を含め高出力系のモバイルバッテリーは大きく重くなりますがバッテリーそのものの充電速度も速いので使い勝手が良いと思います。
高出力系のモバイルバッテリーの現状(2025年4月現在)
最近、出力の大きなモバイルバッテリーがいくつか登場してきています。今標準的な大容量バッテリーですと、大体容量が10000-20000mAhで出力が45-60W程度だと思いますが最近のものでは出力が20V5A(100W)以上の製品も登場しています。リチウムイオンバッテリーの電圧は3.6V程度ですので、高出力系のバッテリーは昇圧等にコストがかかりますし、安全性への配慮のためどうしても価格が高くなったり大きく重くなりやすいという問題が出てきます。
並列か直列かもおそらく設計上の課題です。昔購入して今でも使えているMOTTERUのバッテリーは4本直列繋ぎの20000mAhクラスのバッテリーです。これがPD60W対応クラスなのですが、100Wクラスですと5本とか直列でつないで20Vでの出力を優先しているようです。マイナーですがMOTTERUのバッテリーは悪くない気がします。どでかいですがPD140Wまで対応したバッテリーが下記になります。超ハイパワーと引き換えにとてもデカいです。リンクのスペック表に18Vと記載されており、3.6Vx5と推測されます。容量が25000mAhなので5本を2並列、計10本という設計ですね。スゴイモンスター(重さも535g!)
なお当方で所持している60W対応のバッテリーのブログはこちらです。古いものなのですが結構良かったです。このバッテリーは4本直列なので今回のバッテリーとスペック的には似ていますが、バッテリーへの充電は30Wに限られるなどやや古さは感じるものになります。
容量と電圧の関係 これは4本直列でした
今回のXiaomiも実はここが気になっていて、4本しかない電池をどう繋いでいるのかはちょっと気になるところでしたが本体の表示を見る限り4本直列繋ぎでした。充電の入力が90W対応とかなり高いのですが、その速度が出るのは一瞬です。使用目的や容量を考えると妥当だと思います。主なスペックは下記の通りです。
項目 | 内容 |
バッテリー容量(公称) | 10000mAh |
バッテリー容量(実効) | 5500mAh (5V/4A) 5Vだとロスが大きいので容量が小さく見えます |
バッテリーセル | 2500mAhx4(4本直列)内部電圧14.4Vで高電圧向きのセッティングです |
サイズ | 143 × 48 × 36mm デカいです |
重量 | 約315g 容量考えると重いです。 |
入出力ポート | USB-C内蔵ケーブル ×1、USB-Cポート ×1 USB-C割り切り設定 |
入力 (内蔵ケーブル) | 5V=3A / 9V=3A / 12V=3A / 15V=3A / 20V=4.5A(最大90W) |
入力 (USB-Cポート) | 5V=3A / 9V=3A / 12V=3A / 15V=3A / 20V=2.25A(最大45W) |
出力 (内蔵ケーブル) | 5V=3A / 9V=3A / 11V=3A / 11V=6A / 12V=3A / 15V=3A / 20V=3.25A Xiaomiハイパーチャージ対応機種: 20V=6A(最大120W)PD:65W |
出力 (USB-Cポート) | 5V=3A / 9V=3A / 11V-3A / 12V=3A / 15V=3A / 20V-2.25A(最大45W) |
実機はこんな感じ。ケーブル部分は高電力に対応するために非常に太く、わっかになっています。デザインはシンプルですが、ディスプレイを大きく見せるため?の加飾が目立ちます。このバッテリーに一つモノ申したいとすれば意味の分からない165Wなどという表記は止めていただきたいですね。こういうの、指導対象にならないのかな・・・?実際はXiaomi製品ならハイパーチャージ120W、一般機器最大65Wなはずです。PD65Wが基本なので所謂高容量高出力のバッテリーの中では最低クラスになります。ちなみに価格も最低クラスで、安いと5000円を切っています。amazon商品リンクも良かったらぜひ。
ケーブルが内蔵なのも特徴です。中身のかなり太い丈夫なケーブルで、わっかとして持ち運びに利用することも出来ます(お勧めはしませんが)。パッケージは簡素ですが商品自体のクオリティは価格以上の印象があります。
定格容量5500mAh(5V/4A) 変圧幅が大きい5V利用は非効率
このバッテリーは定格容量として5500mAh(5V/4A)と書かれています。内部電圧が14.4Vなので5Vまで降圧する場合は効率が悪くなるので仕方のないところかもしれません。この辺りは正直に書かれているのは好感が持てるところですが、一般にこの数字だけが独り歩きするとレッテルを貼られてしまう懸念があります。
内部電圧的にはやはり15Vや20V等効率がより良い電圧で充電することが望ましいです。そういう意味でもiPhoneの充電には向かない印象です。敢えて購入される方はそういらっしゃらないと思いますが(笑)。一方でノートPCなどの高電圧対応機器であれば性能を十分発揮できると思います。
なお、実は我が家ではXiaomiのバッテリーは2つ目で、一つは相当前に中国から購入したzmiというXiaomi系列のバッテリーです。USB-Cは一つのみでUSB-Aが2端子、最大45W出力のものになります。これも普通に便利で今でも使えています。USB-Aの機器二つがつながるUSB-Cのハブになるのも面白いところ。このバッテリーは45W出力ですが、このバッテリーは2直列2並列の7.2Vのバッテリーでした。
内部電圧が7.2Vの場合は5V出力時は効率が良くなります。昔のものはまだUSB-Aで充電することも多かったですし容量が大きくても電源回りの設計を含め7.2Vのほうがバランスが良かったのだと思います。
10000mAhのバッテリーとしては比較的重くて大きい
購入の際に一点検討すべき点はこのクラスのバッテリーとして正直比較的大型で重量も重いことが挙げられます。サイズ感としては細身の缶のイメージが近いかな・・・ちょっとした水筒みたいな感じですね。毎日持ち運ぶ、という観点から見ると負担になると思います。スペックが大きく異なりますが最大60W出力に対応した20000mAhの古いモバイルバッテリーMOTTERUと比較してもそこまで体積、重量が変わりません。ディスプレイやスペックを妥協するのであれば一般的な20000mAhクラスのバッテリーのほうが有利だと思います。
ただ、スペック的な意味では競合製品は多くありません。どちらかというと最大出力(Xiaomi製品でなくても65W)を考えると一般的な競合製品はこのような20000mAhの容量が一般的になるんじゃないかと思います。理由は簡単で、出力が高い分、なくなるのも速いからです。
先に出したMOTTERUのほか当ブログでたびたび紹介するCIOの製品ですと、20000mAhの65W対応バッテリーが333gという超軽量で存在します。Xiaomi製品をターゲットにしないなら非常に有力な対抗馬だと思います。良かったらamazonリンクもぜひご覧ください。容量が倍であるため値段も相応ですが、PC充電がメインなら容量が多いほうが安心かもしれません。
ただ、この製品については内部電圧が分かりませんでした。65Wなので4本直列なのではないかと思うのですが確証はありません。以前ご紹介したリンクの5000mAhバッテリーの中身が4つセット、とかかな?いずれにせよCIOはなかなか興味深い製品をリリースしている印象ですのでバッテリー選びの際には考慮に入れておくとよいと思います。日本企業ですし。ただ、どの製品もバッテリーの電圧仕様は書かれていないと思います。
ディスプレイ表示は便利だがやや複雑 mAh/minの出力表示
ディスプレイがちゃんとしているのもこの商品の特徴です。パッと見るとすごく表示部が大きいようなデザインですが、実際の表示部は中心のみです(笑)。これが一番重宝するのはバッテリーそのものの充電時です。充電完了までの時間が出るんですよね。これはかなり便利で使い勝手がいいです。もちろん充電速度は非常に速く、90Wで充電すると満充電までたったの30分くらいです。残量も%表示でちゃんと表示されちょっと高級感があります。
一方でバッテリーからの出力時はクセが大きいと言わざるを得ません。mAh/minという表示なんですよね・・・。これだと直感的に何なのか、少なくとも私にはわかりません。だって電圧がわからないもの。何を意味しているのか分からないので最初びっくりしました。私も所持しているUSB-Cチェッカーのような機能を期待していたのですが、表示の変更は出来ませんでした。出力のW表示が望ましいと思うのですが。
このmAh/minの表示はバッテリー内部の出力値を表しているようで、14.4Vに対する値です。正直あまり役に立ちません。わざわざ掛け算して使うのもねえ・・・。ちなみに表示としては5V1.6A、約8Wで充電中に11mAh/minという表示でした。11mAhx60(min)x14.4(V)/1000で約8.6W・・・ってことでしょうか??
Xiaomiユーザーは指名買いも 高電圧で効率がよい
前述の通り、当然のようにXiaomi製品に最適化されているのでXiaomiユーザーは出先を中心にさっとハイパーチャージできるのが大変便利だと思います。その辺のPDアダプタより高速に充電ができますし、先ほどの電圧面でも有利です。当方で昔購入した11T Proですと120Wのハイパーチャージに対応しているので最大性能を発揮できる計算です。以前のブログでも出させていただいていますが、本当に充電が速いです。娘がヘビーユースしていますが、年単位でそこそこのパフォーマンスを維持しており、劣化が著しく速い、等の問題も生じていません。娘がXiaomiから離れられない理由となっています。良かったらこちらもぜひご覧ください。
なお、最近スマホ機能付きカメラとして一眼購入資金を投入して購入した、Xiaomi 15 Ultra (5410mAh)を充電してみましたが、このバッテリー50%分の電力で70%(20-89%)近く充電できました。10000mAhクラスのバッテリーとしてこれなら全く問題ない値です。最初の10分で20%から50%まで回復していますが、コレは超急速充電はOFFにした状態です。ここから30%充電速度upもできるとのことで凄いですよね。
極端な話、外出先に持ち運ばなくても本来専用ACアダプタが必要なハイパーチャージをどこでも利用できるという点では自宅内で運用しても良いんじゃないかと思う便利さです。
一般的なPD機器への充電でもコスパは悪くない
前述のように20V近いPDの高電圧に対応した機器(ノートパソコン等)であればこのバッテリーはかなり効率よく充電が出来ることになります。基本的に高い電圧で動作する機器の電子部品はコストも上がりやすいはずなので、安い10000mAhのモバイルバッテリーと一概に比較できません。PD30Wクラスのものはほぼ例外なく内部は7.2Vの仕様だと思いますし、価格帯こそ異なれこの製品の競合となるAnkerの12000mAhのバッテリーでも内部は4000mAh3本直列使用です。低電圧でもバランスがとりやすいセッティングな分20VPD充電での効率ではこのバッテリーがトップクラスの性能である可能性が高いです。ただ、Ankerのほうがディスプレイ表示などはカッコいいですし、出力の表示もスマートな印象を受けます。
CIOの20000mAhクラスのバッテリーと比較してなおこのバッテリーに意味があるか、という視点で見ると、先ずは値段的な部分で、この出力が可能なバッテリーとして実売が5000円を切る、というのは大きいと思います。そこまで容量必要なければ安いほうがいいかたも多いでしょうし、容量単価でみれば前述のCIOが安いですが、入力が90W対応で満充電まで30分、というのも強みです。また先程の10000mAhクラスとしては内部電圧の高さとコスパ面でほかの追随を許さない特徴があります。
4本直列繋ぎ、高電圧高入出力と引き換えにサイズ、重量面での妥協が必要になっていますが、PD充電のバッテリーとして広く活躍できると私は思いました。
モバイルバッテリー選びはセル構成も確認してみましょう
ということでモバイルバッテリーのレビューとして少し掘り下げてみました。4本直列構成の高電圧バッテリーとしてコスパが高く、Xiaomiユーザーは特に注目の商品に間違いないと思います。何より安い。
一方で単純に性能、容量を考えると現時点でのおススメはCIOになるでしょうか。予算や形状など、必要に応じて選ぶのが良いと思います。個人的にはAnkerを含めたこの3社が2025時点の私のお勧めになるかな、と思っています。あなたに適したモバイルバッテリーで楽しいガジェットライフを!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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