3Dプリンター製「Glia project」聴診器 ダイソーで必要物品入手 たった330円で作れます!
以前ご紹介させていただいたカナダGlia projectの聴診器、仕様を変更させていただきダイソーで揃う必要物品(3点)で製作可能になりました。実用(?)に耐えうる世界最安クラスの聴診器、3Dプリンターをお持ちの方みなさんぜひ製作して色々な音を聴いてみて下さい。
前回記事について
本記事は以前の続きになります。3Dプリンターの可能性の一つとしてカナダのプロジェクトで紹介されている聴診器を制作した記事で、この時点でも聴診器の要であるダイアフラム(音を聴く膜の部分)はダイソーで入手していました。先にこちらの記事をご覧ください。
ただこの時点ではどうしても追加パーツをそれなりのお金を出して入手しなければならず、試してみるにはハードルが高かったように思えました。聴診器、別に日常生活で必要無いですもんね・・・
必要物品の課題点を解消
別途購入する必要がある物品は2種類の径のシリコンチューブでした。それなりの長さのチューブがしかもサイズ違いで2つ必要だったんです。その辺でパパッと入手できるモノではないですし、私は購入しましたがアマゾンでも意外と費用がかかりました。このハードルの高さを下げてなんとか3Dプリンターユーザーに聴診器を作ってもらいたい(?)ということで、ダイソーでチューブを入手すべく店舗内をふらついた結果、見つけたのが「エクササイズストレッチャー 8の字タイプ」です。
シリコンではなくゴム製ですが、チューブ径といい長さといい十分に使用できそうな雰囲気でした。しかも110円です。また、耳に当たるイヤーピースもこの際ダイソーで揃えます。オリジナルの聴診器ではイヤーピースの軸部分も結構太いので内径が太め用の「抗菌イヤーピース」を購入しました。耳のサイズに応じて3種類セットになっているので大人でも子供でも1セットで対応できそうです。これに前回ご紹介した「硬質カードケース」をプラスして必要費用はわずか330円!!2022年現在の為替水準を考えると世界最安値クラスの聴診器が出来ることになりました。
下に3Dプリンター部品と今回購入した部品の写真を示します。エクササイズストレッチャーはあらかじめ黒い持ち手部分を切って、チューブの繋ぎ目部分で切っておいて下さい。次にY字パーツのモディファイを行います。
部品は一部変更が必要(STLファイルあり)
Glia projectのパーツをそのまま使って実際に組み立てようとすると、径が一部合いません。まあ元々2種類のチューブを利用するモノを全く異なる1種類のチューブで代用しているため仕方ないところですがY型の部品の径が細くチューブが抜けてしまうんです。
仕方ないので部品も作り直しにしました。チューブも勝手に仕様変更しているので、細かい点には目を瞑ることにします。ということでFusion360でY型のスイープ形状を作ってくり抜き、チューブ形状を製作します。ちょっとフィレットをつけたり、1層目の定着を考えて最下面を平面にしたりしていますが極めて単純なモデルです。すいません・・・
よかったら下のSTLをご利用ください。(STLそのままだとWordPressでうまく扱えないためzipファイル形式となっています。)
本家GliaのファイルはGitHubにあります。stethoscope_x1.3mfというファイル(Prusa slicer用)がいいかなと思います。
いざ組み立て、音の変化はどう??
完成した聴診器が下のものになります。オリジナルのGliaの聴診器と外観上は色以外の差は軽微です。組み立ての際もゴムなので若干コシというか柔らかさが違いますが違和感はありませんでした。径と素材の差がクオリティにどの程度影響するのか、やはり気になりますよね。そこで前回製作したリファレンス?のGlia聴診器と聞き比べをしてみました。
被験者は4歳の息子(笑)。結論としてはやはりネックはイヤーピースかなと思います。うまくフィットさせられれば問題ありませんが、フィットが悪いと心音が聴きにくくなる印象です。とはいえちょっとフィットを工夫すれば大丈夫ですし、心雑音や肺雑音も問題なく聞こえるんじゃないかと思います。心臓の音に興味がある方は近畿大学病院のページが分かりやすいかもしれません。よかったらご一読くださいね。
安価な聴診器をぜひ作ってみてください
元々この聴診器は途上国などでより安価で効果的な医療機器を制作することを目指して始められたプロジェクトです。仕様は変更してしまいましたが日本においてもかなり安価に作れてよかったです。
何よりみんな大好きダイソーで全てのパーツが揃うのは大きいですよね。以前の記事は私個人としては興味深かったのですが、正直なところわざわざチューブを購入して作ってくださった方は少ないと思います。でもダイソーで330円で作れるなら、「試しに作ってみるか」となるのではないでしょうか?ぜひ作ってみて下さい。新たな世界が聴けるかもしれませんよ?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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