REVOPOINT POP4 レビュー レーザーも付いてトラッキングも進歩 これで十分かが機種選択の分かれ目
今回はREVOPOINT POP4のレビューです。ちょっと久しぶりのREVOPOINTでしたが、この価格帯(10万くらい)でレーザー含め全部入りなのが特徴です。良くも悪くもコスト=性能な3Dスキャナ市場で、「これで足りる!」と感じるかどうかがポイントになると感じました。
はじめに
私は最近、SHINING3Dのスキャナを使用しています。REVOPOINTのスキャナは以前ではありますがRANGE, INSPIRE, POP3 Plusを当ブログで取り上げ使用しておりどちらの特徴もある程度把握しているつもりです。
今回はPOPシリーズ最新のPOP4がファンディングされ、ブルーレーザーと赤外線VCSELが追加された全部入り仕様になったことから、どれくらい良くなったのかな?と購入してみた次第ですが、どちらかといえば新規採用されたレーザーよりのレビューです。皆さんのスキャナ選びの判断材料としてお役に立てればと思います。最後までぜひお読みください。Amazonリンクもよかったらぜひ。
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また、当ブログのPOP3 PlusならびにEINSTAR2のブログ記事はこちらになります。参考になれば嬉しいです。
POP4の主な特徴
今回のPOP4は従来のPOP3シリーズと比較してかなり豪華な仕様になりました。先にふれたとおり、従来の赤外線MEMSに加えVCSELと、それを組み合わせたハイブリッドHDモード、ブルーレーザーもクロスと深穴用シングルラインの2種類が追加されています。この価格帯で全部入りです。
スペックシートはまあ、参考程度ではありますが、赤外線はテクスチャをマーカーに使用するモードもあるなど個人的には大きなバージョンアップだと思います。概要はこんな感じ。
| 機種名 | REVOPOINT POP4 |
| スキャン方式 | 青色クロス、青色シングルライン、赤外線フルフィールド(MEMS)、赤外線VCSEL |
| シングルフレーム精度 | レーザー最大0.03mm、フルフィールド0.08mm、VCSEL 0.10~0.20mm |
| スキャン速度 | レーザー: 最大(GPU支援あり)105fps、 CPUのみ 60fps 赤外線: フルフィールド 20fps、VCSEL 30fps |
| 作業距離 | レーザー200~400mm、フルフィールド/ハイブリッド250~500mm、VCSEL300~800mm |
| シングルスキャン範囲 | 最小:131 × 134 mm at 200 mm 最大:312 × 269 mm(マルチラインレーザー、フルフィールド) at 400mm 505 × 538 mm(VCSELモード)at 800mm |
| トラッキング | 特徴、マーカー、グローバルマーカー、カラー、テクスチャ ※併用は不可能 レーザーはマーカー、グローバルマーカーのみ |
| カラースキャン | レーザーは原則不可(後撮り) RGBカメラ解像度130万画素 |
| 接続 | USB-C、Wi-Fi 6、Bluetooth 4.1 |
| 三脚穴 | あり |
| 本体重量 | 約286g |
| 電源 | DC 5V、2A 対応のUSB電源を接続して使用 |
| 最低PC条件 | Windows: 3060 8GBのGPUを搭載した13世代Core i7 or Ryzen 7 5800 mac: M1 Pro/MAX/Ultra以上 |
| スマホスキャン | 赤外線のみ対応 レーザーは対応不可 |
| スマホ要件 | Android: Snapdragon 8 Gen 1、Dimensity 9000、Kirin 9000S程度 メモリ12GB iOS: iPhoneX以上 iPadOS: iPad 10世代以降 |
付属品としては本体と接続用ケーブルのほか、キャリブレーションボードやミニターンテーブル、ミニ3脚等がついています。三脚穴があるのはREVOPOINTシリーズの良いところです。ミニ3脚はちょっと固定性が弱いので自身のものを使うほうが安心感があるかもしれません。なお、これまで一貫して入っていたスキャンモデルはなくなりました。あれはあまり必要ないのでよかったと私は思います。
当方のEINSTAR2とのサイズ比較も載せておきます。全体的なサイズ感は似ていますが、バッテリー内蔵タイプのEINSTAR2はややずんぐりした形状で3脚穴がありません。本体を持って使うEINSTAR2と、三脚穴に棒を挿して使うREVOPOINTといった感じです。全体的な光学系はEINSTAR2のほうが良いと思われますが、そもそも価格が倍近く違うので比べるものではありませんね。
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接続と設定の注意
過去のREVOPOINT製品でもありましたが、最初からWi-Fiで接続しようとすると、アクセスポイントが表示されませんでした。Wi-Fiの国設定などが原因なので、まずはUSBでPCと接続し設定を変更したほうが良いです。Wi-Fiの国設定を日本に変更、アクセスポイントの名前も変えられますのでご確認ください。
キャリブレーションはPCと接続しボードに対してPOP4を傾けたりして行います。比較的簡便でしょっちゅう行う必要はありませんし、次にキャリブレーションを行う場合にも、最初に必要性があるか判断してくれます。ソフトは日本語も選択可能です。とっつきやすいと思うのですが、最初にこの設定をしないといけないことを徹底して周知したほうが良いと思います。
実際のスキャンは確かな進化あり 処理速度には限界も
では早速スキャンについてです。PCでのスキャンはRevoScan6で行います。安定性は良く、扱いやすいソフトだと思います。また、特にハイブリッドHDモードは今までのPOPシリーズと比較してスキャンの安定性が確実に向上しました。このハイブリッドHDモードはMEMSとVCSELを両方使うモードだと思いますが、これは当機種がかなり頑張ったところだと思います。例えばEINSTAR VEGAにもこの機能はありません。(EINSTAR2はもともとMEMSはついてないです)POP4の性能は価格なりなのですが、このハイブリッドモードがあることでそこそこの大きさのものはだいぶスキャンしやすくなりました。
この足のスキャン等、スキャナを手元から大きく話してスキャンするなども含め、マーカーレスのスキャンが見失いにくくなっています。スキャンずれが生じにくいためスキャンの失敗率が大きく軽減したと感じます。
一方、ソフトウエアのパフォーマンス面は課題があります。Windows環境ですが、生データをいったん処理しないとトリミングが出来ないのが課題です。生データはスキャン時の周囲等不要なデータが含まれるため、点群データを作成する前に不要な部分を除去出来ればだいぶ軽くなるのですが、それが出来ないんですよね・・・。
また、Windows版、Mac版ともに、レーザースキャン等処理がやや重く時間がかかりやすい印象を受けました。PCのスペックを上手に使い切れていない印象です。
スキャンモード使い分けについて
POP4は全部入りになったため色々方式があると迷うこともあるとは思いますが、まずレーザーを使うか否かでモードを分けましょう。大まかにこんな感じでよいと思います。
- 詳細かつ寸法安定性を持って細かいものをスキャンしたい場合 → クロスレーザー
- 黒色でテカるもの 反射するものの場合 → クロスレーザー
- 上記で一部に深い穴がある場合 → クロスレーザーののちそのままシングルラインレーザー
- カラー情報(テクスチャ)が欲しい場合 → 赤外線のどれか(以下を選択)
- 屋外などや距離がある場合 → VCSEL高速
- 対象物に寄って赤外線での最高解像度が欲しい → フルフィールドHD(マーカーも検討)
- 上記以外の赤外線スキャンの場合:基本的にハイブリッドHDモード
赤外線で苦手なものはレーザーに当然なるわけですが、それを置いても小物は解像度と最短撮影距離の問題でレーザーが良いです。赤外線を選択する際はひとまずハイブリッドHDでやってみて、その後にそれ以外を試す感じが多くなるのではないでしょうか?近距離が不要な場合はVCSELモードを最初から選択しておくとよいと思いますし、近づきたい場合はマーカーを置いてトラッキングミスを防ぎつつ、フルフィールドHDを選ぶ選択肢もあります。では実際のスキャンを見ていきましょう
新規採用 実用的なブルーレーザースキャン
今回新規追加されたブルーレーザーですが、やはりMEMSと比較して細かい形状のスキャンが出来ます。黒にも光沢にも強く、マーカーが必要にはなりますが強力なモードです。シングルラインについては実用性は限定的ですが評価できるポイントです。
ただPOP4のブルーレーザーは基本的にカラーでのスキャンが出来ません。あとから写真のように合成する機能はあるのですが、複数のスキャンを合成した場合に適用できないなどの難があります。また、モバイルアプリを使用したスキャンも行えませんのでPCが必須になるなど制限もあります。そこがクリアできるなら10万円程度の予算では汎用性が高い選択肢になると思います。
細かいものの代表として試したのがAmiiboのフィギュアです。凹凸あり、影あり、色も黒から白まであり、テカリもあったりして、小物についてはこれ一つのスキャンで概ね性能がわかってしまう優秀さ。かなり時間をかけてスキャンしています。レーザー、全域マーカーを使用して、複数のスキャンを合成しマージしました。
結果がこちら。かなり良いと思います。少なくとも今までのMEMSでは破綻する部分が破綻しませんし、マージしてもメッシュがブレる等の問題も生じませんでした。小物はテクスチャをあきらめてレーザーを選択するのが合理的だと思います。なお、マーカーを使用したスキャン全体に言えることですが、小物の場合はこのようにバックにマーカーを張り付けてスキャンしましょう。そうでないとマーカーでスキャン対象が隠れてしまいます。
次に黒代表、マキタのバッテリーです。こちらはマージせず一回そのままのスキャン結果です。リバースエンジニアリング用途への使用ではこちらが参考になるのではないでしょうか。0.1mmの解像度をターゲットにクロスラインとシングルラインを用いてスキャンしましたが、かなりしっかりとれています。ただよく見るとREVOPOINT特有の角が丸まる仕様があり端子の凹凸が丸くなったりはしています。これで十分、という場合も多いかなという印象です。ただしこの解像度でしっかり撮ろうとするとそれなりに時間がかかりました。
では、20万クラスのEINSTAR2と比較するとどうか、という話です。私はEINSTAR2使っていますし、製品提供も受けたので回し者と思われる方もいると思いますが、3Dスキャナには2026年現在、性能価格比例の法則?があります。価格が違えば性能が違う、当たり前の話ですが、EINSTAR2の結果がこちらになります。後述しますが、コスト分の確かな差があるもののPOP4で十分な方がいると思うのでそこが機種選定のポイントかなと感じます。
トラッキング安定のハイブリッドHD VCSEL方式が好印象
赤外線モードも失敗が明らかに減りました。トラッキングを見失って帰ってこれない、位置ずれしてスキャンのやり直しが生じるため技術を要する、そういったREVOPOINTのスキャナの課題がだいぶ改善されかなり扱いやすくなりました。MEMSで不十分なFOV(視野角)をVCSELが補っているのでしょう、足の裏のスキャンがちゃんとできます。これは足を組んで片手でスキャナを持ち自分のほうを向けて自撮りしている状態ですが、これでもしっかりスキャンが出来ています。(靴づくりをしているため足でごめんなさい!!)
また、VCSEL単品でのスキャンも非常に安定しています。REVOPOINT RANGEでも撮った我が家の椅子ですが、見失いにくいので非常にきれいに、かつ簡便にスキャンが行えます。この簡便さは今までのPOP3までにはなかったもので、確かな進歩です。やはり大きめのものはかなり結果が良いと感じます。
MEMS方式単品だとトラッキングミスがやはり多くなり、マーカーを利用してもマージするときれいなメッシュにならないことがあります。先にレーザーでスキャンしたAmiiboくらいのサイズだと、POP4の赤外線ではかなり難易度が高くなります。一定以下のサイズはカラーをあきらめてレーザーを選択するべきです。(この部分はEINSTAR2も同様の傾向があります。)レーザーのカラースキャンがない点が惜しまれるところです。
ちなみに、MEMSの結果があまりよくないのは基本的にPOP4が「寄れない」ためです。ごく小さな小物をターゲットにしていない印象があります。赤外線利用の場合、最短撮影距離が250mmなんですよね。例えば前機種のPOP3シリーズは最短が150mmでしたので、想定するスキャン対象がやや大きめなのです。レーザーだと基本的な解像度が高いため問題になりにくいですが、小物で赤外線だとどうしても結果がばらつくのであまり小さいものをとることは私は推奨しません。上記のカラースキャンがいまいちなのも、寄れないことが一番の原因です。
ただ、寄ろうとするとハイブリッドHDが使えなくなるでしょうし、結果としては旧機種同様見失いやすくなると思うのでそのバランスを取った形ではないかと思います。この価格帯、小物はレーザーでお願い!というREVOPOINTからのメッセージかも。
あと、個人的には3DGSスキャンに未来を感じたのですが、これ、一回メッシュにした後の処理なんですよね・・・。点群スキャンをそのまま3DGSにしたいのですが・・・。現時点ではちょっと残念な仕様です。またAI?による自動認識機能も公式は推していますが、ミスややり直しリスクを考えると個人的には「おまけ」機能として割り切ったほうがいいと感じました。
モバイルスキャンアプリもあります(現状赤外線のみ)
赤外線についてはモバイルアプリを使用したPCレススキャンが可能になっています。基本的なUIはPCのREVOSCANと同様で、画面構成も似ており迷うことはないと思います。ソフトウエアも安定していました。スペック表のところで記載した通りスマホ側の性能が要求されますが、PCレス運用ができるのは便利です。対するEINSTAR2は現時点ではベータテスト中でモバイルアプリがありませんから・・・。
これは我が家のPCとハンコン部分をVCSELモードでモバイルスキャンしたものですが黒いハンコンがしっかりとれています。周囲の机やスピーカー部分もOKです。ハンドルの影の部分はかなり見えにくくなるようで、せり出したキーボードなどは写せませんでしたがVCSELモードは従来のPOPシリーズからは撮りやすさに隔世の感があります。
残念なのはレーザーモードがアプリにないことです。現状赤外線利用のみとなっています。スマホスペックの問題もあるのだと思いますが、ベータテスト中のEINSTARのアプリはレーザーも撮れるのでそこは何とかしてほしいところです。ぜひ!!
まとめ POP4で足りるかが一つの選択基準
今回のPOP4はブルーレーザーとVCSELが入ったことで非常に扱いやすくなりました。POP3シリーズからの非常に大きな変化だと思います。
一番大きな課題であったトラッキングはVCSELを使用するハイブリッドHDでかなり改善されましたし、全体的に寄れない欠点はあるものの10万円コースの3Dスキャナとしてかなり頑張った印象があります。
寄りたい場合はカラーをあきらめればレーザーでおおむねカバーできますし、角が丸まる傾向は健在ですが、入門機としてシーンを比較的選ばない汎用性は評価できるポイントです。
右のTwitterでも記載しましたが、性能が価格と比例しがちで安易に下剋上出来ない世界、それが現在の3Dスキャナ市場です。3Dプリンターメーカーがスキャナを作っていく方向にある今後どうなっていくか興味深いところではありますが、現状価格差を簡単にひっくり返す製品はないのではないかな、と思います。
最近だとCrealityのスキャナもちょっと面白そうかな、と思うのですが、あまりご縁がなくレビューする機会がないんですよね。実は3Dプリンターを含めCrealityの製品をほとんど所有したことがないんですよ・・・。Pikaの製品説明を見ているとちょっとREVOPOINTよりなのかな、と思いました。(正確なところはわかりませんが)
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結論としてまとめると、当ブログとしては3Dスキャナを検討する際にはまず、このPOP4で足りるかどうかを基準にするのがわかりやすいと思いました。
まずは値段、今は発売直後で12万程度となっていますが、こなれれば10万以下も視野に入ってくると思います。私がよく使用しているEINSTAR2は15万コースなので、3Dスキャナという製品カテゴリに予算をどれだけ出せるかを大きな判断材料にしていただき、当ブログ記事もいろいろ参照いただければ幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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