Chitu FilaPartner E1 フィラメントドライヤーレビュー 2×2本を同時乾燥可能でツールチェンジャー向き 自作アタッチメントでイノマタ対応に
ちょっと高いけれどタッチパネルで操作性も上々、痒い所に手が届くフィラメントドライヤーでした。シリカゲルがちょっと少なめでボックス自体は密閉構造ではないため長時間の管理には向かない部分もありますが、最近増えてきたツールチェンジャー機にぴったりの選択肢だと思いました。Snapmaker U1やCreator5シリーズ、BOXを追加してINDXにも良いかもしれません。
Chitu Systemsについて
Chitu Systems は、SLA用のスライサーソフト「ChituBox」が有名な会社です。CBD(Creatives, Builds & Design)社が母体で、2014年設立とのことで結構老舗な印象を持ちます。ただ日本では光造形方式の3Dプリンター界のほうがどちらかというとポピュラーなようで、私も今回この製品を購入するまでは知らなかったです。会社の沿革はこちら。
FFF方式用としては今回のフィラメントドライヤー以外に、A1mini用のプレート交換システムを販売しているようです。これは海外の方がKickstarterでファンディングしていたSwapmodのクローンかもしれませんね。
FilaPartner E1の概要と外観etc
今回これを買ってみようと思ったのはやはりSnapmaker U1の存在があります。AMSのようなシステムはないので自分で4本フィラメントを乾燥できるドライヤーが欲しかったんです。Amazonで見かけてプリンターの周囲に置きやすい形状(2本x2ボックス、奥行きが長いタイプで操作画面が手前という配置)で非常に使い勝手が良さそうに見えたんですよね。実際購入してみても、ギリギリのサイズ感含め個人的には非常に良かったです。電源が内蔵でACアダプタ不要なのも個人的には高評価ポイントです。なお、Amazonリンクはこちらですので良かったらご覧ください。
Amazonで購入していますが、梱包などはしっかりしていて安心感があります。全体的に非常によくまとまっていてよく出来ていると思いました。ボックス部にしっかりビニールが貼られていたりして日本製品みたいですね。








本体はサイズはそこそこ大きいですが、フィラメント4つ分と考えれば本当に最小サイズです。手前と奥は完全に独立した仕様なので、ABSとPLAを同時に乾燥することもできます。液晶については後述します。
フィラメントボックスそのものはこんな感じで、フィラメント出し口は上部のみ。両側に乾燥剤を入れる仕組みになっています。本体とボックスを接続する部分は小さめで、乾燥剤はあまり大きいものが入りません。あまりふさぎすぎるのもよくないですし全体の容積が切り詰めてあるので難しいところです。




湿度表示についてはデフォルトの上インジケーターだと表示がよくわからないので、公開されている下記を印刷してアリエクやAmazonで購入できる湿度計を入れました。非常に便利です。
こちらはAliexpressのリンクになります。よかったらぜひ。
温湿度計はAmazonでも売ってました。値段を確認いただき購入先はご検討下さい。
スペック表
あまり需要はないと思いますが一応スペック表を置いておきます。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品名 | Chitu Systems FilaPartner E1 |
| 対応スプール数 | 最大4本(チャンバーあたり2本 × 2チャンバー) |
| 温度設定範囲 | 40℃ ~ 70℃ |
| 加熱方式 | PTCヒーター × 2(完全独立) |
| 消費電力 電源 | 最大約240W(120W × 2) 電源内蔵 |
| 対応素材 | PLA、PETG、ABS、TPU、PA、PA-CF、PC など |
| インターフェース | 感圧式タッチスクリーン |
| 湿度センサー | 内蔵(自動乾燥対応) |
| サイレントモード | あり |
| フィラメント出力ポート | 各ボックス2側面に2つずつ(計4ポート/ボックス) |
| ボックス着脱 | 磁気プレートは手動で取り外し可能・180°反転可能 |
| USB-C端子 | あり(ファームウェアアップデート用) |
| 本体サイズ(概算) | 約 380 × 260 × 230 mm |
| 重量(概算) | 約 3.5 kg |
| 参考価格(Amazon.co.jp) | 税込2万円程度 |
使い勝手は?ツールチェンジャー時代に便利
4本まとめて乾燥できるというのはSnapmaker U1使いとしては非常に便利です。Snapmaker U1の下側においておけば乾燥しながらも利用できますし、ボックスとして利用する分にも扱いやすいです。2本ずつ180度向きを変えられるので蓋を開けなくてもフィラメント取り出し口を左右入れ替えられますし、同時に利用しなくても2本ずつ異なるマテリアルを異なる設定で乾燥できます。
上のように2本はこのボックスで、もう一つは後述のイノマタのストッカーを使うこともできますし、別売りのボックスを追加購入することで拡張ができます。ボックスは単品で大体5千円くらい、縦に積むこともできます。便利です。
ここ最近、各社からバンバンツールチェンジャー機が発表されているんですよね・・・。私が下の記事を書いたのは比較的最近なのですが、ここ数ヶ月くらいで買いやすい値段のツールチェンジャー機が各社からすごい勢いで発売されそうなのでそういう意味でも非常に良いと思います。
奥行方向にフィラメントを4本置けるのも魅力で、プリンターのサイドに置く場合にも使い勝手が良く、2台のプリンターの間に置くことで柔軟な運用も可能になっています。(下の画像はメーカーHPから転載)


ボックスの構造 磁力のプレートが斬新、但し密閉性はない
ボックス自体の出来は悪くなくて、ローラー部にもちゃんとベアリングが入っていますし、プラ製ではありますが実用で問題になるところはありません。底面の構造が興味深くて、ドライヤーと接続する場合には給排気のポートを開けることになるのですが、そこが磁石で張り付くプレートなんですよ。外したプレートは中央部に貼り付けておくのでなくすことがありません。自動だったらもっと良かったけど、大きくなりそうだからこれでいいかなと思います。



また、もし間違えて塞いだままセットすると、高さが変わってしまうのでセンサーを押すことが出来ず、センサーをオフにしていなければ乾燥スタートが出来ない仕様になっています。非常に素晴らしいです。




一方でこのボックスの欠点としてはこれ自体には吸湿を防ぐ構造がほぼない点が挙げられます。上部蓋もパッキンがないただのプラスチックです。湿気は入ってしまうので長くフィラメントを保管する用ではないんですよね。使用する前に乾燥してそのまま使用する、長期保管は以前のEIBOSさんの脱気型保管袋を使用する等工夫が必要です。ただ、個人的にはあまり乾燥が必要ないフィラメントもたくさんあるので、必要に応じて使う、という意味では必要十分ではないかなと思います。後述のイノマタアタッチメントで乾燥保管用はいいんじゃないかなと思います。
タッチスクリーンについて
このドライヤーは感圧式のタッチパネルを使用しています。物理ボタンはありません。(本体背部のメインスイッチのみ)。パネルは概ねわかりやすくて良いです。英語表記ですが困ることはありません。温度調整やプリセットされたフィラメントごとの温度と乾燥時間設定、カスタム設定などがあります。





インテリジェントコントロールでは自動乾燥やボックスセンサーの切り替え、サイレントモード等の設定があります。必要にして十分で、ちょっといいフィラメントドライヤーな感じがあります。
イノマタの乾物ストッカー対応にアタッチメント部品作成
我が家ではプリンターユーザー定番のイノマタ乾物ストッカーを使用したフィラメントボックスもあります。これは非常に性能が高くて、他のタッパー系商品と比較して透湿性が低く長期間フィラメントを安定した状態で保管できるすぐれものです。
ストッカーの底面のリッドを外すと乾燥できるようになっています。Polydryer用等にもアタッチメントがあるのですが、3DスキャナとPlasticityを使ってアタッチメントを作成しイノマタストッカー対応にしました。
3Dモデルは近日公開しますが、とりあえずここからどうぞ。
※プリントする際はABSを使用して下さい。私は部品を最終的に接着しています。

イノマタドライボックスのモデルはこちらで公開されているものを使用しています。
今回のモデル作成に使ったこちらのスキャナブログもよかったらぜひ!非常に高性能なハンディスキャナです。小物制作に役立つと思います。・・・高いけど。
ちょっとお高いのが玉に瑕 乾燥剤も追加がベターかも
というわけで全体的にこの製品はすごく良いと思うのですが、結果としてなかなかお値段もお高くなっています。安いときでも1万円台後半ー2万円台前半と、乾燥用の機器としては躊躇しそうなお値段です。4フィラメント同時乾燥と考えればそこまで高くない気もしますが絶対値としてはやはりお高いですよね・・・。
あとは乾燥についてです。ヒーター等の性能は十分なのですが、乾燥剤が小さいので周囲の湿度が高い日本の場合は十分な乾燥が出来ない場合があります。別に十分に乾燥した乾燥剤を追加したほうがいいかなと思います。
ツールチェンジャー・マルチマテリアル時代に役立つ一台
昨年購入して半年くらい使用していますが、Snapmaker U1とセットで使っているとこの商品の強さを感じます。近日発売されるCreator5やINDX、Creality等から発売される各種ツールチェンジャーとの相性も非常に良いであろうことが予想されます。横置きではないため場所を取りにくいので、特にCreator5シリーズとの相性は良さそうです。
今はシングルノズルのプリンターユーザーの方も、先行投資として4フィラメント同時乾燥が可能なこのドライヤーはなかなか面白い選択肢になるのではないかなと思います。あとから追加する必要や考える必要がない、という利点がありますし、イノマタストッカーを併用すればもっとフィラメントが増えてもそう困ることはないんじゃないかなと思いました。複数フィラメント対応のドライヤー、検討されてみてはいかがでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!



















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