家族が多いと魅力が最大化 SwitchBot スマートロック Ultra + 顔認証パッド レビュー ソフトウエア面で課題はあれど超便利

小学校低学年でも、基本的にカギの紛失を心配することなく家に入ってこられる便利さ。ロックと顔認証パッドセットだといいお値段ではありますが非常に重宝しています。購入後数か月使用していますが、基本機能には問題はありませんでした。中国企業のセキュリティ製品であり、また課題もありますがお勧めできる商品です。

Switchbot社について

SwitchBot(スイッチボット)は、2015年に中国・深圳(シンセン)で設立されたWoan Technology(卧安科技有限公司)のブランド名です。Wikipedia情報は下記の通りです。

SwitchBotブランドで販売されている商品群はスマートホーム製品が多く、ロボット掃除機等でも最近知名度を上げてきています。電球や空気清浄機なんかもあります。日本市場は稼ぎ頭で、日本のスマートホーム市場シェアは28%とも言われているようです。なお、日本法人であるSWITCHBOT株式会社は2020年に設立され、東京都渋谷区に拠点を置いています。

コスパが高く、今回のスマートロック等評判が良い製品もありますが、シーリングライトが落下した等の不具合を生じ補強パーツを無償提供する等の問題も生じており賛否分かれる部分もある感じです。今回私も同社製品は初めて購入しますので、今後も何かあればご報告させていただきます。

SwitchBot スマートロック Ultra + 顔認証パッドについて

今回私はセット販売の上記を買いましたが、2つの製品のセットです。製品は仕様や価格にバリエーションは多い印象ですが、スマートロックUltraと顔認証パッドはどちらも最新かつ最上位の製品になります。アプリと組み合わせて後から入れ替えが可能で、ニーズに合わせて選べるのは良いところです。両社の簡単な製品仕様を記載しておきます。Amazonリンクもよかったらぜひ。ただ、現在割安なセット品が販売されていませんでした。

セットは単純に2個入っている
項目SwitchBot ロック UltraSwitchBot 顔認証パッド
定価(単体/税込)¥22,980¥16,980
セット価格(税込)¥34,980 (1ドア1ロック)
電源充電式バッテリー
CR123A電池 x 1 + 微電流解錠機能
内蔵リチウム電池 (5000mAh)
充電方式USB Type-CUSB Type-C
充電サイクル約1年 (1日10回解錠/施錠)約1年 (1日10回解錠)
認証方法アプリからの開錠 が主顔/指紋/ICカード/パスワード
防水防塵IP65
主な仕様

今の時点ではセット品が販売されておらず、単品購入でした。売り切れかな・・・?

ロック単品はバッテリーをメイン電源とし、予備としてCR123Aを搭載する形です。基本は充電池運用になります。充電サイクルは最長で1年が公称値ですが、例えば我が家ですとこの3倍くらいは閉開錠していると思いますので数か月だと思います。

顔認証パッドも似たスペックとなっていますが、後述のとおり3か月でいきなり切れました。電源管理にバグがあると思われます(V1.7現在)。とはいえスペックとしては十分で、顔だけでなく、交通系ICカードや指紋、パスコードにも対応しています。基本的な能力は非常に高いです。

製品外観

外観はこんな感じ。Lockのほうは非常にシンプルな形をしています。装飾等が最小限で好感が持てるデザインです。つまむ部分がないのは不便かなとも思ったのですが、実際はここはスイッチになっており、押すことで開閉錠ができます。全体の質感も大きな問題はなく、値段なりの外観を持っています。主観ではありますがもともと使用していたQrio Lockよりもデザインや質感は上回っています。箱もシンプルながらかっこいいです。

サイズ感も比較してみました。内側にめり込むように設置できるので張り出しが少ないです。全体的に小ぶりなのは電源の影響もあると思います。基本が充電式バッテリーで電池が1本だけ、という点が大きい気がします。この形で対応できない場合は別途取り付け用部品が必要になりますので注意は必要です。

顔認証パッドのほうはこんな感じ。取り付け前の写真がなくてすみません。ちょっと厚みのある箱といった印象です。上部が赤外線の顔認識用、ほかは施錠や数字ボタンと、指紋認証部もあります。施錠は南京錠の形のボタンでワンタッチで可能です。全体な質感としてはロック本体よりもやや落ちます。ここも値段なりな印象で決して悪くはないですが、外装にもう少しお金をかけてもよかったとは思います。ただ、あまり高級感があるとpadそのものの盗難というリスクもありますから落としどころとしては仕方ないかなとも思います。黒一色なので玄関によってはマッチングに問題が出ると思います。

私は失敗しましたが、設置位置には注意が要です。成人が押しやすい位置にすると、子供の顔認識ができなくなる可能性があります。また、USB-Cが下部についているので、取り付けたまま充電する場合はここをふさがないようにする必要が出てきます。私は既存の鍵穴の上に設置してしまったため充電時には取り外すことになりました(笑)

取り付けと注意点について

取り付け時の注意点はやはりサムターンとの互換性です。事前にしっかり確認しておく必要があります。我が家は上下に2つカギがあるタイプで、今までQrio Lockは上側に取り付けていました。今回も同様にしようと最初は考えたのですが結論から言えば入りませんでした。

原因は我が家の上部のロックのサムターン回し防止の構造にあります。長期間外出時等、サムターン回しができないようにつまみ部分が取れるようになっているのですが、そこが引っかかってかぶせられませんでした。

説明を見ていて何となく大丈夫だと思っても実際は無理、というケースは比較的この手の商品に多い落とし穴ですので、メジャーを片手に設置ができるかは確認したほうがベターです。下のロックへの設置は非常に簡便でした。上からスポッとかぶせる形で説明書を見ながらですが設置できました。化粧パネルも木目のものを使用してマッチングも良好です。

また、顔認証パッドは前述の通り、私の設置位置は充電を考えると良くないです(笑)。顔認証パッドは台座をドアに固定し、そこにスライドさせる形で設置するのですが、特に顔認証については高さの制限があります。もちろん数字や指紋も押しやすい高さがあると思いますのでどこにつけるかは考えどころです。高さ面では当方の上部鍵穴の上、というのはほぼ至適位置なのですが、そのせいでUSB-Cの差込口が塞がれ、充電するためには外さなくてはいけなくなりました。大失敗です。

パッドを取り外すと警告音が出るので、ちょっと充電しにくくなってしまいました・・・本当ならモバイルバッテリーをぶら下げるような形で使いながら充電するのが良いスタイルだと思います。

電源周りの仕様とアプリについて

前述しましたが、電源周りの仕様は鍵本体と認証パッドで考え方がかなり異なります。鍵の電源仕様は、締め出しのリスクが高くなるため下記の3系統用意されています。

  1. メイン電源: USB Type-C充電式(4200mAh)。フル充電で約1年間(1日10回解錠/施錠想定)使用可能
  2. 予備電源: CR123Aリチウム電池。メイン消耗若しくは充電中など、約1,000回の解錠が可能です。
  3. 緊急電源: 5回の微電流解錠機能あり。キャパシタか?詳細は不明

そもそも全部CR123A、というQrio lock方式でもいいとは思うのですが、機能が多く数か月で電池が切れるなら充電式電池も理にかなっています。ただリチウムイオン電池は冬に弱いので、冬前には一度充電しておいたほうがいいかもしれません。CR123Aはリチウム電池なので低温でも性能低下が生じにくく、また寿命も長いので予備電源向きです。個人的にはパナソニック等国産メーカーのちゃんとした?CR123Aがお勧めです。

本体の電池充電中はこのCR123Aで開錠することになりますが、CR123Aは3Vでリチウムイオン電池と比較して起電力がやや低めです。基板の仕様はわかりませんが、開閉のパワーにも変化があるのかはちょっと興味深いですね。」

一方、顔認証パッドは充電式バッテリー(5000mAh)で、こちらも約1年間の使用が目安とされています。私は取付位置を失敗したため不可能ですが、本来は本体を取り外さずにモバイルバッテリーを直接USB-Cポートに挿して充電することも可能です。

電池残量はアプリから確認が出来ますが、ロックUltraのほうは非常にアバウトな残量表示にとどまっています。顔認証パッドはパーセンテージが出るのですが、そもそもコレがうまくいっていないという話が後述のものです。電源周り、というかソフトウエア周りの成熟はもう少し頑張ってほしいところです。メーカーには連絡を入れておきました。

顔認証パッド不具合発生 突然の電池切れに注意!!

ということで不具合情報です。現時点のファームウエアV1.7では電池容量が正確に表示されない?ため顔認証パッドの電源が突然落ちる、という問題が我が家では発生しました。突然沈黙しうんともすんとも言わなくなり壊れたかと思いました・・・。まさかと思い充電してみると復活。充電しながら電源入れたところ、アプリでは電池残量がゼロ近辺に。さっきまで80%以上の表示だったのに。。

勿論顔認証パッドの電源が切れてもアプリによるロック本体の開錠は出来ますのでスマホがあれば締め出されることはありません、が、我が家のように子供を含めた運用をしていると学校にスマホをもっていかない子供は困ってしまうため早急な対応をお願いしたいところです。

沈黙して充電中の顔認証パッド

アプリ機能と遠隔操作

Switchbot製品は共通したSwitchbotアプリで操作が可能です。基本的に家に接続した全てのSwitchbot機器はアプリで統合して操作することになります。今回のロック Ultraと顔認証パッド間、ならびに双方とアプリはいずれもBluetooth での通信を行うことになります。これは以前のQrio Lockもそうでしたし大抵のAC接続でないIoT機器はBluetoothが主流です。

このため距離の制限があり家の中でも遠いと開錠や施錠が正常に行えなかったり、設定が行えなかったりといった現象が生じます。当然Wifiではないので遠隔操作は単体では行えません。そういった用途ではSwitchbot ハブ製品が必要になります。AC接続のこの製品を使うことでBluetooth 通信とWifiをHubしてくれる、というわけです。こういう点を考えるとIoT機器はなるべくメーカーを統一したほうが使い勝手が向上しますが、一方でネットワーク障害等がSwitchbot アプリで生じた場合は全てのデバイスが使えなくなるという点もあり、リスク管理が難しいところですね。

ファームウエアがあると教えてくれます。顔認証パッド、来てくれ更新。

なお、ファームウエアのアップデートがあるとアプリ起動時等に教えてくれます。早く顔認証パッドのアップデートを・・・

子供等家族が多ければ多いほど威力を発揮

我が家は5人家族ですが、年齢構成も幅広く、子供は上は大学生、真ん中は中学生、下は小学生です。帰宅時間などももちろんバラバラなので、家に人がいないと自身でカギを開ける必要があります。私はまあ大抵仕事で家にいませんが、嫁様がいないと下の小学生は家に入れません。

こういう家族構成ではこのスマートロックは抜群の威力を発揮します。中学生はスマホ学校持ち込みは原則禁止ですし、小学生に家のカギを持たせておくのも不安があります。(特にうちの子は(笑))。この顔認証パッド、少なくとも当方では顔の認識や指紋認識精度も非常によく、昼夜を問わず活躍してくれます。認識で困ったことはほぼありませんが、強いて言えばICカードの読み取り速度がちょっと遅めな印象があるくらいです。

これによって小学校低学年の末っ子が一人で開錠し家に入れるようになりました。まあ、防犯上基本的には嫁様がいるのですが、安心感がありますよね・・・!また、自動施錠も設定したため子供がカギを閉め忘れても問題ないのも素晴らしいです。勝手に遊びに行っちゃっても大丈夫!

子供は顔と指紋認証で主に開錠しています。私は顔認証です。子供は顔が成長で変わっていくのでどの程度で認識できなくなるのかはちょっと興味深いのですが、指紋が楽なようです。

なお、顔認証は赤外線で行っているとのことです。公式には3万個のビームと書いてありますが、実際の形式などは分かりません。赤外線方式の3Dスキャナと同じような技術を使っているかなぁ?Wifi接続もない為データはローカル保存ですし、セキュリティとして一般的な家庭では問題になることは無いと思います。

子供がカギを持つのってちょっとリスクがありますし、カギを家に忘れて学校に行ったら帰宅後家に入れなくなってしまいます。このセットがあることで家に入る手段が顔や指紋になったのは本当に便利です。なお、パスワードも設定が必要ですが、パスワード開錠は使用していません。パスワードはボタンの経時的な変化で見破られる可能性もあり、下手するとリスクになるので生体認証の方が無難な気がします。

また、我が家では下にこのスマートロックを付けたため、下のカギを操作する必要がなくなりました。外出時のツーロックは顔認証パッドの施錠ボタンと、パッドすぐ下にある上のカギの施錠のみ。

室内側からもロックをポンと押すだけで下のカギの開錠が出来るため面倒がありません。下側のカギをいじらなくて良い、というメリットは意外と大きいと感じました。なお、我が家ではハブは購入しておらず、鍵はスタンドアローンです。

夜間や家族で外出時などはツーロック

我が家のカギの運用は、夜間や全員で外出するときはツーロックが基本で、ちょっと留守にするくらいですとこのスマートロック1か所のみの施錠としています。完全なカギフリーには我が家はしていません。

2つ鍵があるのに同じスマートロックだと下手すると同時に開けられてしまうので、むしろ防犯上は好ましくないと思うのですよね・・・この商品はツーロック用のものも売られているのですが、個人的には疑問です。

安い商品ではないが買えば幸せになれる逸品

ということでちょっとトラブルがありSwitchbot さんには早急になんとかアップデートをお願いしたいところではありますが、モノとしては非常に良いです。3.5万円と高い買い物ではありますが、基本的にスマートロックは長く使えるもの、だと思います。5年使ったと仮定して、年間7000円、一日20円弱と思えばそう高くないですよね。

中国製品のセキュリティリスクについては各々色々意見もあるかと思いますし、シーリングライト落下問題など製品品質への懸念があるのは確かです。とはいえ当製品もしょせん鍵です。壊れても今までに戻るだけですしWiFi接続もなく、私個人としてはあまり問題にしていません。むしろ子供にカギ渡して落とすリスクのほうが高いです(笑)

自動施錠もできますし、顔認証パッドのボタンで施錠することもできるので、子供が一人で外に遊びに行く際にも安心です。こういう便利グッズ、使い始めるとない時代に戻れなくなるんですよ、本当に。少なくともこの数か月で完全になじんだこの製品は勝手幸せになれる逸品でした。その分、先日トラブルで使えなかった衝撃も大きいですが・・・。まあ報告は済んだ以上、Switchbotさんのファームアップを待ちます。というわけで家族が多いとかなりこのセットはおススメです。組み合わせは自由ですし後から追加もできるので、一人暮らしならスマートロックのみ購入するのもいいんじゃないかと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!