Anker soundcore Life Q35 ピンク 色味もデザインも良い 1万円ノイズキャンセリングヘッドホン
小学生の娘がピアノなどで使える有線対応(マイクあり)のヘッドホンを探してこれを買いました。色も可愛らしく、かといってキツくない色です。音はやや癖がありますが作りも丁寧ですし、Switchでも使えそうです。総合的に考えて1万円の同ジャンル製品では中々の出来ではないかと思いますのでレビューさせて頂きます。
Anker soundcoreシリーズについて
soundcoreシリーズは、もともと充電器やモバイルバッテリーなどでコスパの高い製品を作っているAnkerがオーディオ分野に進出するときに作成されたサブブランドです。(本家ホームページはこちらです)
基本的に最高な製品を目指しているわけではなく、ちょうど良い落とし所を狙ってバランスを取った高コスパな製品を作ることに重点を置いています。これは本家のホームページ内にもしっかり書かれていますが、現在はsoundcore内でも複数の製品があり、主に1万円以下が主流です。
音響機器って、本当にピンキリなジャンルの商品で、上を見ても下を見てもキリがないことはご存知のとおりかと思います。だから基本的に比較をする時に全然価格が違うものを持ってきても意味がありません。そういう意味ではsoundcoreは普通の人が普通に使いやすく、買いやすい商品を作っているシリーズだと思います。
とはいえ、私は元々Ankerのモバイルバッテリーやケーブルは使用していましたが、音が出る製品を買うのは今回が初めてで、どの程度のものかワクワクしていました。娘のですけどね(笑)
soundcore Life Q35 Anker 最上位ヘッドホン(2021/9現在)
Q35は2021年7月末に発売された、soundcoreのヘッドホンでは最上位機種になります。機能的にはかなりのてんこ盛りで、内外に複数のマイクを設置した外音取り込み機能付きノイズキャンセリング、SBC、AACだけでなくAndroidやソニー製品で多く採用されるLDACによる高ビットレートに対応したマルチポイント可能のBluetooth接続(AptXはなしつまりQualcommのチップセットは使っていないはず)、その上での40時間持続のバッテリーを持ち、マイク対応の有線接続、着脱検知機能までついて、カスタマイズ可能なアプリが利用できるなど、文句なしのスペックです。
とは言っても先に記載の通り価格は1万円ちょっとであり、コスパが高いのは間違いありません。さらに詳しい情報についてはAmazonリンクももしよければご利用頂ければ幸いです。
外観、素材など
全体的な出来ですが、これが中々良いです。まず色ですが、ピンクではありますがしつこくないです。大人の女性でも全く問題ない控えめな色合いになってます。調節できるバンド部分は金属製で動きもスムーズですし耐久性もありそうな感じ。基本的にプラスチックではあるのですが、十分だと思います。
特に個人的にはイヤーパッド部分は褒めてあげたいところです。このクラスのヘッドホンとしてはつけ心地が良いのはイヤーパッドがしっかりしているからだと思います。立体縫製でクッション性もよくクランプ圧が高くないため長時間つけていても不快ではありません。こういうところにコストをちゃんとかけるのは素晴らしいと感じました。
一方で押すボタン類はなんともスイッチ感があり、こういうところにはコストをかけていないのがわかります。折り畳んで収納するためにイヤーカップ部分が折れ曲がるようになっているのですが、そういうところにもコストはかけていません。
肝心の音、ノイズキャンセリングはどうなの?
さて、本質である音質です。なお、音の評価はノイズキャンセリングオンで、Shanling M0に接続し音質優先のLDACでハイレゾ中心のFLACを聴く、という環境で確認しています。
LDAC対応、ハイレゾ対応ということではあるのですが、出てくる音の解像度はそこまで高くありません。高音まで出すことはできそうですが分解能が足りないため活かせないと思います。一言で言えば「底が浅い」音でしょうか。でも、これこの機能で1万円なんです。1万円の有線のイヤホンやヘッドホンと比較した場合音質は落ちますが、本気で室内でハイレゾを楽しむ人が選ぶヘッドホンではないですよね。外や雑音がある中でノイズキャンセリングを効かせながら音楽を楽しむ、という用途を考えれば十分だと思いますし、そういうユーザーをターゲットにしているヘッドホンです。そうそう、つい先日アップデートがあった、任天堂Switchにもつないでみました。若干の遅れはありますが、リズムゲームでなければ楽しめそうです。マリオカートのスタートダッシュくらいなら全然問題ありませんでした。
ノイズキャンセリングについてですが、シーンによってアプリでノイズキャンセルする音域を選択する方式です。スマホと接続していないと選択はできません。逆に言えばキャンセルできる音域はあまり広くないということです。ただ、これは今の水準に照らせばで、前述の通り数倍の値段の他の製品と比較しても仕方ないです。一方、家にかなり古いBOSEのQuietcomfort 15があるのですが、それと比べた場合、Q35の方がノイズキャンセリングは優秀です。音質的にもQ35の方がいいです。昔の3万円機種よりは明らかに上だと思うので、やはり進歩しているんですね。
あと、よくレビューでも出ていますが、音量を上げていくと低音が出過ぎる印象が強いです。ラウドネスがデフォルトでオンになっている感じでしょうか。ここはやや残念なところで、個人的に言えば良い低音ではないです。共振で出てしまっているような音ですね・・・。素直な音にするならノイズキャンセリングは常時オンで、音量は必要以上に上げない、又は積極的に低音を落として中音域を上げたほうが良いです。マスキング効果が弱まり中高音が出やすくなるのでバランスも良くなります。
有線と遜色ありません
ただ、この低音出過ぎ問題は最近の音楽ソースの一部が低音飽和傾向のせいもあるかなと思っていて、意外にクラシックとかジャズとかだとバランス崩れないんですよね。そういう意味ではソースによって評価が変わるヘッドホンなのかもしれません。好みの問題もあると思います。
トランスパレンシーはイヤーカップを数秒触ることで切り替わります。切り替えボタンを押すことで英語のアナウンスとともにノイズキャンセル、トランスパレンシー、ノーマルと切り替わります。着脱検知も問題なく、外すと再生は自動的に停止します。また電源を入れた時にバッテリー残量を3段階でお知らせしてくれます。(High、Middium、Low)
有線でもマイクが使える
有線で使い勝手が良いのはこのヘッドホンの美点です。ソニー製など有線接続ができるヘッドホンでは、有線接続時マイクが使えないことが多いです。要は音楽を聴く専用ってことですね。個人的には有線は結構好きですし、子供の教材などでマイクが必要な場面もあります。子供用のデバイス(こどもちゃれんじとか英語教材)で使うときは当然有線接続なのですが、マイクが使えないのは致命的です。Q35はケーブルにマイクがついており、有線接続時も問題なくマイクを使う事ができます。
有線接続時の音質については手持ちのM0に接続して聞いてみましたが、LDACと大きく変わらない感じでした。レビューによっては有線で音が悪いとありましたがそうでもないです。ただ、Jelly2に接続してみた際に明らかに音が潰れて歪む現象が時に発生しました。一度ジャックから抜いて繋ぎ直すと治ったりするので、マイク関連のなんらかのバグの可能性があります。ファームで改善すると良いですね。
アプリの出来も良い
総じてソフトウエアはよくできていると思います。わかりやすいですし、Soundcore製品共通のアプリなので、複数の製品を持っている場合ももたつかずに使えます。ノイズキャンセリングの切り替えやイコライザーなどスマホとの相性はやはり良いと思います。下の部分にハードの情報とユーザー情報の切り替えがあります。デフォルト設定ですと中央にディスカバリーモジュールという宣伝や公式ウェブサイトの情報が表示されるタブ?があるのですが、ほぼ英語ですし利用しない方が多いと思います。邪魔だなと思っていましたが、確認するとユーザーの設定からオフにすることで表示しないようにできました。そういう自由度があるところは好感が持てますね。
Youtubeもあります
バンドやイヤーパッドの質感など興味のある方はぜひご覧ください!
改善点はあるものの幅広いユーザー層にお勧めできます
装着感、操作感が良く特にAndroidスマホとの親和性が高いので、高ビットレートの圧縮音源やロスレスなど一般的な範囲で使うには非常に良い商品だと思います。旧世代数万円したノイズキャンセリング性能を保ちつつ、1万円という予算で購入できることを考えると非常にコスパは良い商品だと思います。有線がマイク込みで利用できるので、BTが自由に利用できないことがある学校のリモート授業やテレワーク用途にも向いています。
低音が飽和しやすく、筐体とドライバーのマッチングのせいなのか共振で低音が意図せず増幅しているようにも感じますので、そこが改善されるとより良いと感じました。Soundcoreシリーズ、今後も楽しみですね
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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