あなたの読書に彩りを Amazon Kindle Colorsoft レビュー:価格に見合った進化、淡い色合いだが目疲れとは無縁

今回は日本発売と同時に購入してしまったKindle colorsoftのレビューになります。もともとKindleは長く使っているデバイスですし、細かいところは勝手知ったる、という感じなので早々にレビューを書くことにしました。ライブラリがカラーなだけでも私はテンションが上がりますが、カラーの漫画で一番魅力を感じられると思います。最近web主体の漫画は単行本版もカラー配信されていたりするので。逆に活字しか読まなければ従来のもののほうが安くてお得です。

カラーのKindle、ついに日本発売

以前当ブログではKindle Paperwhiteのレビューを書いています。私は比較的長年のKindleユーザーですし、前回レビューのPaperwhiteを継続して使用していましたので、2024年10月に米国で先行発売されたカラーのKindleの日本上陸を心待ちにしていました。ですので2025年7月24日発売発表された「Kindle Colorsoft シグニチャーエディション」は即日何も考えずにポチってしまいました(笑)以前の当ブログはこちらです。E-inkについても触れていますので興味を持っていただいた方はぜひこちらにもお越しください。

とはいってもカラーのE-inkの仕様は新しいものではなく、BOOXなどでも定番の「Kaleido 3」です。電子書籍端末としても日本ではKobo Libra Colourが1年以上前に発売しているものと同じです。ついに、という表現にはなりますが私自身はカラーE-inkは初めてなのですごく楽しみでしたし、E-inkの魅力を知っているだけに絶対買う、という結論になったわけです。

Kaleido 3の仕組み

前回ブログでも書いたようにE-inkは根本的に液晶ディスプレイとは異なります。電気泳動を利用しており画面を切り替えるときにしか電力を消費しませんのでバッテリー持続時間もけた違いです。普通の紙と同様に反射で見ているので野外での視認性が圧倒的に優れており、フロントライト?で夜間の視認性も問題なし、と本以上の資質を持っています。

Kaleido 3では、これまでのモノクロE Inkディスプレイの上にカラーフィルター層を重ねることで色表現を可能にしています。色数は最大4,096色ですが、画面の解像度は、モノクロ表示時には従来のPaperwhiteと同じ300ppiを維持し、カラー表示時には150ppiとなります。これはカラーフィルターを使用するため仕方のないところです。実際に見てみると滑らかさなどでは従来のPaperwhiteのほうが勝っている部分がありますが、普通の視力の人が普通に見る分にはPaperwhiteとほぼ同様の見え方と考えていいんじゃないかなと思いました。

その辺の考察や変化、またページめくりの様子などはPC watchの記事が詳しいです。私自身が感じたことが大体網羅されています。

シグニチャーエディションのスペック情報も一応載せておきます。カラー化に伴い定価ベースでは1.2万アップで、ストレージの違いとワイヤレス充電機能、明るさ調整がついたシグニチャーエディションが5千円upです。後述しますが、元のPaperwhite の値段がかなり上がったため全体に高価なデバイスになった印象で残念ではあります。

  • 画面サイズ: 7インチ カラーE Ink(Kaleido 3)
  • 解像度: モノクロ 300ppi / カラー 150ppi
  • カラー表示: 最大4,096色
  • ストレージ: 32GB
  • バッテリー持続時間: 最大8週間 Paperwhite比 -4w
  • 防水性能: IPX8等級
  • 明るさ調整: 色調、自動調光機能付き
  • 充電: USB-C & ワイヤレス充電(Qi規格)
  • ハイライト機能: 4色対応
  • 重量: 219g Paperwhite比 +5g
  • 価格: 44,980円

ちなみにこのカラー化に伴い、従来のKindle Paperwhiteシリーズは現在値引きされています。初めて電子書籍リーダー、活字主体ならモノクロもまだまだ全然ありなんじゃないかなぁ。まあ、昔はシリーズ全体通してもう少し安かったんですが仕方のないところです。

実機はこんな感じ

というわけで早々に届いたKindle Colorsoft。発表が7月24日夜なのに、即日購入したら25日に届きました。早すぎる・・・配達員さんいつもありがとう!!

さて、届いた実機ですが、パッと見てカラーなのは良いですね。パッケージもカラーを意識した感じ。付属品は最小限でいつものKindleな感じです。裏面はamazonのにやっとマーク?があり、こちらも反射で色が変わる、カラーを意識した仕様になっていました。

また、Kindleの紐づけはすぐ到着したこともあって行われていませんでした。ただ初期設定は私の11世代の時と異なりAmazon Kindleアプリが入ったスマホやタブレットに連携する形で自動設定が行えるようになっていました。Colorsoft対応のためアプリ側もアップデートが降ってきており最新バージョンであれば手間少なくamazonアカウントログインやネットワーク接続が出来ると思います。

うちにあるKindle paperwhite11世代のシグニチャーエディションと比べてみました。現行の機種ではないので微妙にサイズが大きくなっています(6.8から7型)が違和感はあまりありません。カラーになった以外。電源が入っていない状態でも壁紙?がカラーなのは嬉しい所です。先のPCwatchでも触れられていた解像感は普通の距離で普通に見ている限りはあまり気づかないと思います。

12世代はかなりレスポンスが速いとのことですがカラーになった分Colorsoftの方が全体的に動作が遅いとされています。ページめくりについては私の11世代と比較してもコミックは若干書き換え速度が低下していると感じました。

ただ、コントラストというか見やすさの点では今回のものが勝っている点があり、例えばフリーレンなどの細かいハーフトーンは旧kindleだと淡い部分が飛んでしまうのに対して今回のものはより諧調が粘っています。一応明るさなどは合わせたのですが同じ設定では少なくとも色味が異なる印象です。個人的には今回のもののほうがより好ましいです。文字はルビなどで若干見にくくなっています。

あと、少なくともマンガに関しては見開きに違和感がないのも良いです。今までやっていなかった見開き読みをやってみたくなりました。

個人の感想 やはり目が疲れないカラーは良い

元々E-inkは全く目が疲れない為、活字を読むのに適していました。最近だとついにシリーズ50巻近くあるガンパレード・マーチの小説版を全部読み終わりました。いや、いいんですよ、ガンパレ。Kindleはちょっとの時間でコツコツ読むのにも非常に向いていて、一般的なタブレット端末より軽いし読書をするのにまさにうってつけです。

そこに今回カラーという魅力が加わると何が起こるか。そう、今までiPadで読んでいた本もKindle で見たくなるんですよね・・・。レスポンス面ではイマイチですが最近買ったBlenderの本とか以前買ったカメラの本とか、カラーになったので見られるようになりました。私の用途では十分に実用的です。色が淡くしつこくないこともあり、本当に疲れません。

最近はwebマンガ等で最初からカラーで販売されている電子書籍もあり、そういったタイトルだとより楽しめると思います。ということでこの端末で「先輩がうざい後輩の話」をもう一度1巻から読み直してしまいました。淡くとも虹がちゃんと虹で見えるのは嬉しい限りです。カラーでちょいとお高いのですが可愛くておススメです。

サイズや重さがほとんど変わらないのでユーザー体験で失われたところがないのも強みです。厳密にいえばバッテリー持続時間が減少しているのですが、元々が滅茶苦茶持つのであまり気になりません。本読む端末を毎日充電とか嫌ですものね・・・。

ストアやライブラリで書籍の表紙がカラーで表示されるだけでも個人的には満足感がありますし、また、新しく追加された4色のハイライト機能は、学習や情報整理等に役立つと思います。ただ私は実はあまり使っていません。

いまいちな点もないわけではない

しかし、Kindle Colorsoftにもいくつかの課題はあります。まず、カラー部分の解像度がモノクロ部分の300ppiに対し150ppiと低下する点は認識しておく必要があります。これにより、カラー表示される文字などがモノクロに比べてざらっとした感じになります。

そして、色合いは前述の通り「淡い色調」なのでビビッド感はゼロです。カラーになったとはいえ著者が意図した色ではなくなってしまう点は否めません。これは長時間の読書における目の負担軽減というKindleのコンセプトに合致していますが著者側から見ると喜べない点になり得ると思います。

価格の高さもデメリットです。Kindle Colorsoft(通常モデル)が39,980円、シグニチャーエディションが44,980円(税込)とかなり高額です。11世代まではめちゃ安かったんですよ、Kindle paperwhite。前回ブログにした11世代のシグニチャーエディションは約2万円ですから、そこから比べるとかなり高級端末になってしまいました。先に書きましたが活字主体ならモノクロでも全然悪くはないと思うのです。

割高感を薄めようとシグニチャーエディションではワイヤレス充電が追加されたりしているわけですが、個人的には要らない機能ですし、1gでも軽いほうが正義だと思います。少しでも安く買いたい場合はBlackFRIDAYやプライムセールなどを狙ったほうが良いかもしれません、が、当面カラーは安売りしない可能性もあります。

Koboみたいにボタンがついていないため操作感が気になる方もいるかもしれません。個人的には小さいほうがいいですがこれは好みの要素が強いかも。ただ、個人的に電子書籍は「絶対つぶれない」ことが条件になるのでKoboは選べないんですよね。使ったことがないので比較はできませんが。。電子書籍サービスは物理的な本がある訳ではないのでサービス間の移行も出来ませんし、10年以上使っている身としては離れようがないのです・・・。オープンになればいいんでしょうけれど、まず無理でしょうね。

カラーに価値を感じるあなたにぜひ!

まとめになりますが、Kindle Colorsoftは高価なデバイスですし万人にお勧めできるものではないです。4万以上しますからね・・・。でもそれらを考慮してもなお、「読書に彩りをもたらす」という点において、価格に見合う価値を提供してくれるデバイスだと思いました。即買いして後悔はありません。カラーになったことでマンガ、活字、雑誌全てではありませんがほとんどをカバーできる端末に進化した、と個人的には感じます。一度こっちに来たら、もうモノクロの世界に戻れない、そんな魅力がColorsoftにはあると思うんですよね・・・。

購入候補となるユーザー層はこんな感じでしょうか?amazonを既にサービスとして利用している前提で

  • 漫画や雑誌、イラストの多い書籍などがライブラリにある、iPad等で普段は読んでいる方
  • 教科書や専門書などでカラーハイライト機能を使いたい方
  • E-ink端末年単位で使用しており、そろそろ端末を買い替えようかな、という方

ちなみに私が今まで使用していたKindleは嫁様に使用してもらう方針です。一番古い、低解像度の古い奴はバッテリーも筐体(加水分解してべとべとしています)も限界なので。

カラーに価値を感じるあなた、彩りのある世界へぜひ。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!