LLL plus Filament Buffer 購入 エクストルーダーモーターや高速駆動するCoreXYモーターの負担軽減に期待

今回はしばらく前購入したMellowの大型版のフィラメントバッファーについてです。以前のブログで紹介したものと基本的な機能は同様ですが、大型化したことと引き換えに耐久性や信頼性が向上しています。

Mellow のフィラメントバッファーについて

今回のブログは基本的にはしばらく前のブログ、LLL Filament Bufferについてのものの続きになります。今回ご紹介するものと機器的には大きく異なるものの根本的な役目については大きく変わりませんのでこちらのブログもぜひご一読ください。

前回ブログのものは小型軽量で電源も5VでしたのでSnapmakerのUSB端子から電源を取っていました。Snapmakerの欠点を補える素晴らしい商品ではあるのですが、前回指摘していた部分、モーターの寿命はやはり頼りなく、使っているうちに既に一回壊れてしまいました。モーターが故障するとフィラメントは全く送れなくなります。この場合、空中に虚無を印刷することになりますので注意が必要です。

今回のLLL Plus Filament Buffer 果たしてPlusの部分は?

さて、今回購入したのは装いも新たにPlusと名前がついて同じくMellowから登場した商品です。前回のブログで説明した通り役割はフィラメントの自動供給なのですが、商品仕様はかなり異なります。まずは電源仕様。前回のものは5Vでしたが、今回はモーターが大型化し一般的な24V駆動になりました。電源回りや基板も併せて大きくなっており、基板にはMCUが載っています。今回はこれを利用したフィラメント切れ検知機能が搭載されました。ファームウエアアップデート等にも対応しています。

電圧も機能も重量も、すべてがPlusになった感じですね。ちなみにお値段もPlusになっています(笑)。ただ、セールなんかだと意外と安い印象もありますので検討の価値はあると思いますよ。

以前のブログのものと同様、部品のみのバージョンとランダムカラーの筐体付きバージョンの2種類があります。私は今回、発売記念だったのか価格がほぼ変わらなかったためランダムカラー筐体付きにしてみました。

届いた商品 デカくて重いがパワフルで静か

箱は捨ててしまいましたが、梱包などに問題はなく無事に届きました。やはり実物を目にすると、かなり大きいです。前作のFilament Bufferが小さかったのでよりサイズ感の違いが際立ちます。持った感じもずっしりです。カラーはこんな感じでした。本体色は良いのですが装飾フレームは緑色であまり好みではなかったため、この部分だけは自分で印刷しています。最近発売されたPrinsfilさんのPETGをチョイスしました。部分的に色も塗って何となくガンダムっぽいカラーリングになりました。連邦っぽい感じがしませんか?

ちなみに色塗りはターナーのアクリル絵の具です。色塗りは今後も私の課題の一つで、少しずつ遊びたいなと思っています。マルチカラーという手もあると思います。

実際の動作はこんな感じ。音がわかりにくいと思います。実際プリンターの駆動やファンの音より小さい為目立つことはありません。これ、小さいフィラメントバッファはモーターの駆動音が結構うるさい感じだったので大きな進歩ですね。こうしてみるとやはり結構な頻度で動いており、昨近の高速印刷のマシンでは印刷精度やエクストルーダーモーター、ギアへの負担を軽減してくれるであろうことがわかります。特にフィラメントの経路が長い場合は引っ張り抵抗が大きくなりますので有効でしょうね。

もちろん、PTFEチューブの品質も結構大事だと思います。チューブの抵抗は長ければ長いほど品質が重要です。削れる消耗品でもありますし点検が定期的に必要なパーツだと私は思います。

なお、Mellowの公式のドキュメントは下記のリンクになります。英語ですが3Dモデルなどもここに公開されています。まだ私はやっていませんが、フィラメントバッファのファームウエアも更新されており、PCと接続し所定の手順を踏むことでアップデートが可能とのこと。私はまた後日やってみようと思いますが、何か不具合が生じたらまた追記させていただきます。我が家のは初期ファームだと思うのですが、フィラメントアンロード時のリトラクトができていないようなのでその辺が改善されているかは確認したいですね・・・。

フィラメント切れ検知機能について

今回のPLUSの機能、フィラメント切れ検知機能も試してみました。Klipperであれば導入が可能です。上記の公式ドキュメントを参考に、空いているGPIOにフィラメントセンサーをつなぎます。ピンはプルアップする必要がありますのでそこだけご注意ください。公式のKlipper導入の方は色々機能が追加されていますが、ただ単にフィラメント切れでポーズするだけならほんの3行下記Configのようなもので大丈夫です。

私の場合はPB1につないで、プルアップで使用するために^が入っています。runnoutしたらポーズが入るだけの単純な動作です。これでちゃんと一時停止ができました。フィラメントロード後は本体から再開を選ぶ形になります。

[filament_switch_sensor Runout Detection]
pause_on_runout: true
switch_pin: ^PB1
runout_gcode: PAUSE

ちなみにこのLLL filament Buffer、現在はVORON0の側面に設置しています。当初は背面に設置していましたが、メインボードと干渉しますし、フィラメントのとり回し的にも側面の方がやりやすかったので。ちなみにケースを開けるとこんな感じになっています。

基本的なコンセプトは前回のものと同じですがモーターがかなり立派なものになっており、ギアも大型化しています。基板はSTM32のものになっており同じく大型化しています。めちゃちゃんとしているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。モーターこそ小型ではありますがギア部分もほぼ普通のエクストルーダーです。

プリンター本体のトラブル防止、精度向上に期待できると思います

最近主流のCoreXY機はかなり高速に、高加速度に動作します。また、2つのモーターの協調運動でベルトを動かして2次元の空間の位置決めをしているのでベッドスリンガーより抵抗が多いと精度の問題が出やすい可能性があるだろうと私は思いますし、抵抗が大きいとモーターの過熱も心配です。機器の位置決め精度が正しくてもその手前でフィラメントの抵抗が大きいと実際は精度が落ちる可能性藻あるんじゃないかなと思いますがどうなんでしょうね。あ、もしよかったらCoreXYについてはこちらの当ブログも是非!仕組みがわかるとより楽しいと思いますよ。

AMS等フィラメントバッファが一体となったプリンターはその辺も大丈夫なのかもしれませんが、普通のスプールを引き出すタイプのプリンターの場合は経路が長ければ無視できない抵抗になると思いますのでこうしたパーツは目の付け所が良いと思います。私は半ば面白くて買っていますし、プリンターもVORON0ですので動く範囲自体は狭いのですが、モーターやエクストルーダー周りの未来のトラブルが防止できればいいなと思っています。

今回はちょっとボリュームは控えめですが、いかがでしたでしょうか?なかなか良い買い物だったと個人的には思っています。最後までお読みいただきありがとうございました!