海外製ボールペンでも安いジェットストリームの替え芯を使おう G2規格用アダプターを作成
普段使いのボールペン、何を使われていますか？今回、たまたま入手したヨーロッパG2規格のボールペンに、日本の一般的なジェットストリームの替え芯（3mm径、SXR-80系列）を使えるようにするアダプターを作ってみましたのでご紹介させていただきます。パーカーとか色々な海外製ボールペンに流用できるかも知れませんね!
G2規格のボールペンについて
先日、3DプリンターSnapmakerコンテストの景品の一つであるギフトボックスが届きました。その中に入っていたものの一つがKacoという会社のボールペン。日本ではまだ馴染みがないですが、香港発症の文具メーカーのようです。なかなかスタイリッシュな、仕上げが丁寧で良いボールペンです。
せっかく頂いたボールペンですし有効活用しようと思ったのですが、そこで疑問が「替芯、どうしよう」です。
常識なのかもしれませんが私は全然知らなかったので確認してみると、海外製品ではおなじみのG2規格というものでした。ボールペンの規格はJISで規定されており、このG2も詳細に定義されています。ちなみに私が参照させていただいたページはこちらです。これで頂いたボールペンも有効活用できる、と安心したのもつかの間・・・
替芯が割高で一般的な替芯は使えません
そうなんです。日本のよくあるボールペンと比較して替芯が明らかに高いんですよね。内容量も違うんだと思いますが、ちょっと詳細はわかりませんでした。
まあガワをみても、普通の3色ボールペンよりお金がかかってそうですし、購入者数も全然違うと思うので仕方ないですがなかなかの価格差です。同じジェットストリームの替え芯ですが、右のアマゾンリンクを見ていただくと価格差がスゴイ。上のG2規格のリフィルは1本で500円もしますが、下の今回使用している多色用のよくあるボールペンリフィルは5本で277円です。いくらなんでも容量差が5倍ってことはないはず。。
勿論、当然規格が異なるため利用出来ません。色々調べてみると、先端の径もごく僅かに日本のものが細くなっており、途中からはG2がかなり太くなっています。そのまま流用は難しそうですし、ちょっと調べた範囲では利用出来そうな替え芯アダプターは見当たりませんでした。
アダプターを作成 モデリングは超単純 プリントはやや面倒
実は順序としてはこの下にある適合するバネを見つけてからモデリングはしてますが、ブログ上だとこっちの方がスッキリするのでモデリングを先にお話します。モデリングはご紹介するのが恥ずかしいほどの単純な形状です。元々は円筒形状ですが、3Dプリンターで作ることを考えて直線で済む6角形にしました。内径は直径約3mmの芯が入るわけですが、そこそこ引っかかって抜く事ができそうな、こちらも円に外接する6角形としました。あとは寸法が合うようにノギスで測定してアダプターの形状は完成です。
問題はプリントの方で、画像を見ていただくとわかる通りかなり細くかつ長く、大半は中空の構造ということで意外に気を使いました。寝かせて印刷することも考えたんですが、寸法安定性が厳しくなりそうで立てることにしました。
Snapmakerはベッドが前後に動きます。慣性の法則が働くためブリムをきちんとつけるだけではダメで、プリント速度を遅くする必要がありました。0.4mmのノズル（Kafka テクダイヤ製）を使って、スライサーノズル径を少なめ（0.3）に調整することで最終的には上手く入るサイズになりました。
寸法については最初はキツすぎて入らなかったため、内寸を調整して何回か作っています。最終的に満足いくものが出来ました。
細長いプリントは難しい 
底面はコレだけ
バネに注意が必要 交換が必要でした
ボールペン側の設計を確認すると、もともと入っていた芯は特に固定はされず、ペンの後方部分を回すことで芯が押し出される単純な仕掛けです。元の芯にはお尻にノッチがあるのですが、これは機能していませんでした。
バネは先端側についていて、徐々に径が変わっていくタイプのバネでした。強固に固定されているわけではなく、今回利用する替え芯を差し込んで引っ張ると簡単にとれました。芯が太くなるところに引っかかって後ろに押し戻そうとする形状ですね。というわけでバネを見てみると、先端部分は径が細く、日本の芯に適合させるのは難しそうでした。
バネを弄ると後から戻せないので、バネをのものを交換することにしました。今回使用したのはちょうど空っぽになったジェットストリーム単色用のバネです。なお、手元にあった3色ボールペンのバネは径が合いませんでした。この辺は都度合うものを探すしかなさそうです。
今回のG2の替え芯にも付けてみましたが、問題なく適合するちょうど良いサイズでした。
バネ形状の差（上ジェットストリーム単色、下Kaco） アダプター装着、拡大図
やや課題は残るものの無事にジェットストリーム替芯が使えました
というわけで完成したものがこちらになります。ボールペンの芯と比較すると細長さがわかると思います。実際にここ数日使ってみていますが大きく問題はありません。ちゃんとボールペンとして機能していますし、芯がすっぽ抜けることもなくちょうどいい塩梅です。現在使用しているのはジェットストリームの0.38mmのものになりますが、使用感は悪くありません。
一見して細いです 積層もきれい 若干の遊びがあります
ちょっと歯切れが悪い感想になるのは、若干の課題が残るからです。芯の中心部、銀色部分の径が、G2タイプの方が若干太いために微妙な隙間が空いてしまいます。このため細かく運筆したときに、剛性感がないんですよね。普通に書いているとあまり気になりませんが、注意して動かすと分かってしまいます。
現状これについては解決策があまり思い浮かばないです。微妙な隙間なので、薄くボンドとか瞬間接着剤を塗って径を太くするのが現実的なのかなと思います。いい解決策があったらぜひ教えて下さい。
いかがでしたでしょうか？海外もののボールペンでお困りの方、良かったらご検討下さい!
・・・こんなことする人あまりいないか（笑）コメントお待ちしています
今回も最後までありがとうございました!